
楽天RPP広告の入札単価とキーワード運用|赤字にしない調整の手順
「売れないのは入札が弱いからかも」——そう思って、RPP広告の入札単価を思い切って上げた。数日後、レポートを開くとクリックは確かに増えている。でも、注文はほとんど変わらず、広告費だけがぐっと膨らんでいた。月末に採算を見て、静かにため息……。そんな経験はありませんか。がんばって攻めたぶん、報われてほしいですよね。
楽天RPP広告(Rakuten Promotion Platform/楽天市場の検索結果に商品を出すクリック課金型の広告)でつまずきやすいのが、この「入札単価の上げ方・下げ方」です。単価は、上げれば表示は増えますが、そのぶん費用も増えます。大事なのは強気に出す場所と、抑える場所を分けること。今日は、入札単価の決め方と、商品・キーワードごとに強弱をつける運用の手順を、現場の順番で一緒に進めていきましょう。
結論:RPP広告は「全部の単価を一律で上げ下げ」ではなく、稼いでいる商品には強く、合っていない商品には弱くと、入札単価にメリハリをつけると、同じ広告費でも注文が増えます。
①黒字ラインになるROAS(広告費に対して売上がどれだけ出たか)を先に出す → ②商品を「稼ぐ・育てる・見直す」の3グループに分けて入札単価の強弱を決める → ③キーワード選択機能で効く言葉を強め、合わない言葉を除外する。この3つを週1回まわすだけで、赤字のクリックが減っていきます。
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文章だけだとイメージしにくい方へ。このページの内容を、動画でやさしく解説しました。読んでもピンとこなかったところは、ぜひ動画で確かめてみてください。
いま何が起きているか:入札を「一律」でいじると費用だけ増える
RPP広告でいちばん多いのが、「全体の入札単価を、まとめてえいっと上げ下げする」という運用です。上げれば売上が伸びた気がするし、下げれば費用が減った気がする。でも、これだと稼いでいる商品まで一緒に抑えたり、合っていない商品にまで強く出したりしてしまい、広告費の使いどころがぼやけてしまいます。
ここで押さえておきたいのが入札単価(CPC=1クリックにいくらまで払うかの上限)の考え方です。RPP広告は、この単価が高いほど検索結果の目立つ位置に出やすくなり、クリックが増えます。ただし、クリックが増えても買ってくれる人の割合(CVR=商品ページの買われやすさ)が低い商品では、費用ばかりかさんで注文につながりません。つまり、入札単価は「高くすればいい」ものではなく、その商品が広告費を回収できる範囲でいくらまで出せるかで決まります。
さらにRPPには、店舗全体の標準の入札単価だけでなく、商品ごと・キーワードごとに単価を変えられる仕組み(キーワード選択機能)があります。ここを使わずに全部を標準単価のまま回していると、「売れる商品も売れない商品も同じ扱い」になり、伸びしろを取りこぼします。
要するに、RPP広告の良し悪しは「単価をいくらにするか」だけではなく、どの商品・どの言葉に強く出して、どこを抑えるかという配分で決まる、ということです。
具体例:入札単価とキーワードを、強弱をつけて運用する手順

頭で考えると難しそうですが、手を動かす順番はシンプルです。一緒に進めてみましょう。
①まず「黒字ライン」の数字を出す 入札単価をいくらまで出せるかは、感覚ではなく数字で決めます。基準になるのが損益分岐ROAS(広告費を回収できる最低ラインのROAS)です。計算はかんたんで、
損益分岐ROAS(%)= 1 ÷ 粗利率 × 100
たとえば粗利率が40%の商品なら、損益分岐ROASは約250%。RPPのレポートで、その商品のROASがこの数字を上回っていれば黒字、下回っていれば赤字です。この「黒字ラインを超えているかどうか」が、単価を強めるか弱めるかの判断の土台になります。計算がややこしいと感じたら、EC利益計算ツールや損益分岐ROASの計算で先に自分の黒字ラインを出しておくと、あとがラクです。
②商品を「稼ぐ・育てる・見直す」の3グループに分ける 次に、広告に出している商品をレポートのROASで3つに仕分けします。
- 稼ぐ(黒字ラインを大きく超えている商品):ここは入札単価を強める候補。上位表示が増えれば、そのぶん黒字も増えます。表示が上限まで出きっていない(機会損失がある)なら、少しずつ単価を上げて様子を見ます。
- 育てる(黒字ラインの前後をうろうろしている商品):様子見。単価は据え置きにして、商品ページやキーワードの改善で転換率(=買われやすさ)を上げてから、単価を動かします。
- 見直す(黒字ラインを下回り続けている商品):入札単価を弱めるか、いったん広告から外す候補。単価を上げても赤字が広がるだけなので、まずページの改善が先です。
ポイントは、一度に大きく動かさないこと。単価は1回で2倍にしたりせず、1〜2割ずつ調整して、1週間ほど結果を見てから次を決めます。急に大きく動かすと、良くなったのか悪くなったのか原因が分からなくなります。
③キーワード選択機能で、効く言葉を強め・合わない言葉を外す RPPは商品単位だけでなく、キーワード単位でも入札の強弱をつけられます。管理画面の検索クエリ(実際に検索された言葉)のレポートを見て、
- 注文につながっている言葉(サイズ・型番・用途など「買う直前の言葉」)→ 個別に単価を強める
- クリックは多いのに注文ゼロの言葉(「激安」「中古」「口コミ」だけ、無関係な素材名など)→ 除外キーワードに登録して止める
こうして「効く言葉に厚く、合わない言葉はゼロに」と配分すると、同じ予算が買う人に回るようになります。除外キーワードの考え方は楽天RPP広告の改善|クリックされても売れない原因と直し方でもくわしく整理しています。
やりがちなNGと、その直し方
・全体の単価を一律で上げる:稼ぐ商品も赤字商品も一緒に増える。→ 商品を3グループに分けて、強い所だけ上げる。
・1回で単価を大きく変える:良し悪しの原因が分からなくなる。→ 1〜2割ずつ、1週間単位で調整する。
・赤字商品の単価を上げて挽回しようとする:赤字が広がるだけ。→ 単価より先に商品ページと除外を直す。
・クリック数だけで判断する:注文につながらないクリックも成果に見える。→ ROASと注文数で見る。
なお、広告文や商品名に「日本一」「最安値」などの根拠のない最上級表現を使うのは避けてください。裏づけのない表現は景品表示法(優良誤認・有利誤認)に触れるおそれがあります。実際に提供している価値の範囲で、正直に書きましょう。
あなたへの影響
- 入札単価にメリハリをつけられると、同じ広告費でも注文が増え、広告費に対する売上の見合い(ROAS)が改善して採算が合いやすくなる。
- 商品とキーワードを3グループに分けて動かす習慣がつくと、赤字のクリックが減り、浮いた予算を稼ぐ商品に回せるようになる。
- 「どの商品・どの言葉が黒字で、どこが赤字か」が見えてくると、広告だけでなく商品ページや品揃えの改善ヒントにもなる。機会損失の見つけ方はインプレッションシェアで広告の機会損失を見つける、楽天内での見つかりやすさは楽天内SEO(検索順位)完全攻略も合わせて読むと、打ち手がつながります。
明日やること
- RPPのレポートを開き、主力商品ごとに損益分岐ROAS(1÷粗利率)と現状のROASを並べて、黒字か赤字かを確認する。
- 商品を「稼ぐ・育てる・見直す」の3グループに色分けする。
- 「稼ぐ」で表示が出きっていない商品を1〜2品選び、入札単価を1〜2割だけ上げて1週間観察する。
- 「見直す」で赤字が続く商品は、入札単価を下げるか、いったん広告から外す。
- 検索クエリレポートから、注文ゼロの言葉を3〜5個選んで除外キーワードに登録する。
- 「毎週月曜にレポートを見て、単価と除外を微調整する」をカレンダーに繰り返し予定として入れる。
楽天RPP 入札・キーワード運用チェックリスト
- 主力商品の粗利率と損益分岐ROASを把握している
- 商品を「稼ぐ・育てる・見直す」に分けて入札単価を変えている
- 入札単価は一度に大きく動かさず、1〜2割ずつ調整している
- 表示が出きっていない(機会損失のある)稼ぎ頭を把握している
- キーワード選択機能で、効く言葉に個別に単価をつけている
- 注文につながらない言葉を除外キーワードに登録している
- クリック数だけでなくROAS・注文数で良し悪しを見ている
- 広告文・商品名に根拠のない最上級表現を使っていない(景品表示法)

RPP広告は、入札単価を高くするほど売れる、という単純なものではありません。効くのは、稼ぐ場所に強く、合わない場所は抑えるという、シンプルだけれど続けにくい配分です。まずはレポートを開いて、稼ぎ頭を一つ見つけ、その単価を少しだけ上げるところから。来月のレポートでは、広告費だけでなく注文の数字も一緒に上向く——そんな手応えを、きっと感じられます。
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