
ECのSMS配信でリピートを増やす基礎|到達率と同意の作り方
「メルマガを送っても、ほとんど開かれない」「LINEの友だち登録は、なかなか増えない」。リピートを増やそうと配信をがんばっているのに、そもそも読んでもらえない——そんな行き詰まりを感じたことはありませんか。
そこで見直したいのが、SMS(ショートメッセージ。電話番号あてに届く短い文字メッセージ)です。注文時に電話番号を入力してもらう場面は多く、アプリのインストールも友だち登録も要りません。うまく使えば、メールやLINEでは届かなかったお客さんにも、そっと声をかけられます。この記事では、SMSをリピート(2回目以降の購入)につなげる基礎を、同意の取り方や「送りすぎない」設計まで、一緒に組み立てていきます。
結論:SMSは「①必ず本人の同意(オプトイン)を取る → ②届いてうれしい・役に立つ用件だけに絞る(発送連絡・再入荷・限定案内など) → ③短く、1つの行き先だけを示す → ④送りすぎない」の順で設計する。届きやすさは強い武器ですが、その分だけ「送りすぎ」は一気に嫌われます。少なく・大事なときだけ、が基本です。
何が起きているか:届く場所が、メールからスマホの通知へ
お店とお客さんをつなぐ手段は、メール・LINE・アプリ通知などいろいろあります。ただ、どれも「届いて、気づいてもらえるか」という壁があります。宣伝メールは開かれないまま埋もれ、LINEはそもそも友だちになってもらう必要があります。
その点でSMSには、次のような特徴があります。
- 到達率(送ったメッセージが相手に届く割合)が高い。電話番号あてなので、迷惑メールフォルダに振り分けられにくい。
- アプリのインストールも、友だち登録も不要。電話番号さえあれば送れる。
- 通知がスマホのホームに短く出るので、気づいてもらいやすい。
一方で、この「届きやすさ・気づきやすさ」は諸刃の剣です。プライベートな連絡が来る場所に、頼んでもいない宣伝が何度も届けば、お客さんは一気に不快になります。だからSMSは「たくさん送る」道具ではなく、「大事なときにだけ、確実に届ける」道具として使うのが正解です。この前提を外すと、せっかくの強みが不信感に変わってしまいます。
具体例:SMSを「4つのルール」で設計する

SMSは、次の4つのルールを順番に守るだけで、「届いてうれしい1通」になります。逆にどれか1つを飛ばすと、たちまち「うっとうしい業者」になってしまうので、順番に見ていきます。
① まず「同意(オプトイン)」という土台を置く
いちばん大事なのが、オプトイン(お客さんから「送っていいですよ」と事前に同意をもらうこと)です。電話番号を知っているからといって、勝手に宣伝を送ってはいけません。
- 会員登録やチェックアウト(購入手続き)の画面で、「お得な案内やお届け情報をSMSで受け取る」にチェックを入れてもらう。
- 初期状態でチェックが入っている形は避け、お客さん自身に選んでもらう。
- 「いつでも配信を止められます」と添え、止め方(返信や専用リンク)も分かるようにしておく。
なお、電話番号あての広告メッセージも、電子メール広告と同じく事前同意や送信者の明示、配信停止(オプトアウト)の仕組みが求められます。基本は総務省の特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(迷惑メール対策)で確認できます。通信販売の広告という観点では消費者庁の特定商取引法ガイドも押さえておくと安心です(この記事は制度の入り口を案内するもので、法的な助言ではありません。判断に迷う場合は専門家にご相談ください)。
② 「届いてうれしい用件」だけに絞る
同意をもらえても、送っていい内容は限られます。SMSはプライベートな通知欄に割り込む手段なので、お客さん自身にとって役立つ・知りたい用件だけにします。相性のいい用件は、たとえば次のようなものです。
- 発送・お届けの連絡(「本日発送しました」「まもなくお届けです」)。取引に必要な連絡で、いちばん歓迎されやすい。
- 再入荷のお知らせ(「お問い合わせの多かった〇〇が入荷しました」)。待っていた人には、うれしい一報になる。
- カゴ落ち(カートに入れたまま買わずに離れること)のリマインドを、そっと一言。
- 会員限定セールや、使い切りの頃を見計らった買い替え案内など、頻度を絞った特別な案内。
逆に、毎週の新着情報や、誰にでも同じ内容の宣伝を繰り返すのは不向きです。それはメルマガの役割。用件で手段を使い分けるのがコツです。手段ごとの役割分担はメールとLINE、役割で使い分ける設計の考え方がそのまま応用できます。
③ 「短く・1つの行き先だけ」を示す
SMSは表示できる文字数が限られ、通知でチラッと見られることが多い手段です。だから、用件は1つ、行き先(リンク)も1つに絞ります。
- 最初にお店の名前を名乗る(誰からの連絡か、ひと目で分かるように)。
- 伝えたいことを一文で。あれもこれも詰め込まない。
- タップしてほしいリンクは1つだけ。複数並べると、どれも押されなくなります。
- 送信元の番号や短縮リンクが「怪しく見えない」よう、事前に自分のスマホでテスト受信して確認する。
④ 「送りすぎない」で最後まで守る
最後のルールが、いちばん忘れられがちで、いちばん大切です。SMSは届いてしまうからこそ、送りすぎた瞬間に嫌われます。
- 頻度は「多くても月に数回」を目安に、理由があるときだけ送る。
- 発送連絡などの必要な通知と、宣伝の案内は、送る回数の感覚を分けて考える。
- 配信を止めたい人がすぐ止められるようにしておく(止めやすさは、信頼の裏返しです)。
送りすぎないという考え方は、メールやLINEにも共通します。あわせてメルマガ・LINEの配信頻度と曜日/時間の決め方も参考になります。
あなたへの影響
- メールが届かない・開かれないお客さんにも接点を持てるので、リピートのきっかけを取りこぼしにくくなります。届きやすさは、それ自体が大きな武器です。
- 発送連絡や再入荷通知をSMSで届けると、「まだ届かないけど大丈夫?」といった問い合わせが減り、CS(お客さま対応)の手間も軽くなります。
- 一方で、同意なく送ったり、送りすぎたりすると、信頼を一気に失い、配信停止やクレームにつながります。SMSは効果が大きいぶん、失敗したときの反動も大きい手段だと心得ておきましょう。
- SMSには送信ごとの料金がかかるのが一般的です。だからこそ「大事な用件を、必要な人に」という絞り込みが、結果的に費用対効果(かけたコストに対する成果)も良くします。
明日やること
- いまお店が集めている電話番号に、SMSを送る同意が取れているかを確認する(取れていなければ、まずは同意の取り方から見直す)。
- SMSで送るならどの用件が向いているかを1つ決める(まずは発送連絡や再入荷通知など、歓迎されやすいものから)。
- 文面を短く1通・リンク1つで作り、自分のスマホにテスト送信して見え方を確かめる。
- 配信の止め方を用意し、文面に一言そえる。
- 頻度のルール(「月に何回まで・どんなときに送るか」)を決め、社内で共有する。
SMSは、たくさん送って売り込む道具ではありません。「大事なときに、確実に届ける」ための、静かで頼れる連絡手段です。まずは発送連絡のような、送られてうれしい一通から始めてみてください。その小さな一報が、次の買い物へのやわらかい橋渡しになります。
チェックリスト
- 電話番号あてにSMSを送る同意(オプトイン)を取れている
- 初期状態でチェックを入れさせる形になっていない
- 送る用件を「届いてうれしいもの」に絞れている(発送・再入荷など)
- 文面は短く、お店の名前を名乗り、リンクは1つだけ
- 自分のスマホでテスト受信し、怪しく見えないか確かめた
- 配信の止め方を用意し、文面に明記している
- 送る頻度のルール(月に何回まで・どんなとき)を決めている
- 特定電子メール法・特商法の観点で無理がないか確認した(不安なら専門家に相談)

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