ネットショップの1ページだけを見て帰ろうとするお客さんと、他の関連ページへの道しるべに気づいて店内を見て回り始める様子を思い浮かべるEC担当者の情景

EC内部リンク・パンくずの作り方|回遊とSEO評価を同時に高める

「一つひとつの商品ページは、写真も説明も時間をかけて作った。なのに、アクセス解析を見ると、多くの人がそのページだけを見て、他を見ずに帰ってしまっている」。 そんなふうに感じたことはないでしょうか。せっかく来てくれたお客さんが、店内をぐるっと見て回ることなく出口へ向かってしまう。これは、商品そのものの魅力の問題というより、ページとページをつなぐ「道しるべ」が足りていないサインかもしれません。

今日お話しするのは、その道しるべ——内部リンク(ないぶリンク=同じサイトの中で、別のページへ移動できるようにつないだリンクのこと)パンくず(パンくずリスト=「トップ > カテゴリ > 商品」のように、今どこにいるかを示す道案内の表示)です。どちらも派手さはありませんが、お客さんの「見て回りやすさ」と、検索エンジンからの「評価の伝わりやすさ」を、同時に底上げしてくれる縁の下の力持ちです。今のお店のまま、少し手を入れるだけで始められます。一緒に、自分のお店の「ページのつなぎ方」を見直してみましょう。

結論:内部リンクとパンくずは、バラバラだったページ同士をつないで「見て回れる店」に変える基本の設計です。効くポイントは3つ。①パンくずで「今どこにいるか」を示し、迷子と直帰(ちょっき=最初の1ページだけ見て帰ること)を減らす ②関連性の高いページ同士を内部リンクでつなぎ、回遊(かいゆう=1人が複数ページを見て回ること)と客単価を上げる ③リンクの文言(アンカーテキスト)を分かりやすくして、お客さんにも検索エンジンにも「リンク先が何のページか」を正しく伝える
進め方は、(1) まず主要な商品ページを1枚開き、そこから次に行ける先が用意されているか確認する → (2) パンくずが全ページに正しく出ているか確認する → (3) 関連商品・関連記事・カテゴリへの内部リンクを、お客さんが次に知りたい順で足す。大きな開発は要りません。今日から1ページずつ整えられます。

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いま何が起きているか|「1ページで帰る」のは道しるべ不足のサイン

内部リンクとパンくずが足りないお店では、お客さんと検索エンジンの両方が、同じ場所でつまずいています。

お客さん側で起きているのは、「見て回れずに帰る」という取りこぼしです。広告や検索から特定の商品ページに来たものの、そのページを読み終えたあと、次にどこを見ればいいのか分からない。関連する色違いや、合わせて使う商品、あるいは判断材料になる解説ページへの案内がなければ、お客さんは「行き止まり」に突き当たり、そのまま離脱します。これが直帰(最初の1ページだけ見て帰ること)です。買う気がなかったわけではなく、次の一歩を用意していなかっただけのことも少なくありません。

検索エンジン側で起きているのは、「評価が伝わりきらない」という機会損失です。検索エンジンは、サイト内のリンクをたどってページを見つけ、どのページがどのページと関係が深いかを読み取ります(この読み取りやすさを、クローラビリティ=検索エンジンの巡回しやすさ、と呼びます)。リンクでつながっていない孤立したページは、見つけてもらいにくく、内容を評価してもらいにくくなります。逆に、関連ページ同士がきちんとつながっていると、「このサイトはこのテーマに詳しい」という文脈が伝わりやすくなります。

そしてパンくずは、この両方に効きます。お客さんには「今どの階層にいるか」を示して安心させ、1つ上のカテゴリへ戻る道をつくります。検索エンジンには、サイトの構造(トップ>カテゴリ>商品、という階層の関係)を分かりやすく伝えます。実際、Googleも検索結果にパンくずの階層を表示することがあり、公式にもその仕組みが説明されています(Google 検索セントラル|パンくずリスト)。つまりパンくずは、サイトの中と検索結果の両方で、道案内として働いてくれるのです。

内部リンク・パンくずは「3つの役割」で整える

パンくず・関連リンク・アンカーテキストの3つの役割を、ネットショップのページ構造の上で示した概念図
内部リンクとパンくずは「今どこか(パンくず)」「次どこへ(関連リンク)」「何のページか(文言)」の3つで整えると迷わない。

やみくもにリンクを増やすと、かえって雑然として選びにくくなります。次の3つの役割に分けて、順に整えると迷いません。

役割何のためかまずやること
① パンくず(今どこにいるか)迷子と直帰を防ぎ、階層を示す全ページに「トップ > カテゴリ > 商品名」の形で表示し、各階層をリンクにする
② 関連リンク(次にどこへ行くか)回遊を増やし、客単価と発見を促す関連商品・合わせ買い・カテゴリ・判断材料になる解説ページへの導線を、次に知りたい順で置く
③ アンカーテキスト(何のページか)人にも検索エンジンにも中身を伝える「こちら」ではなく「送料無料ラインの決め方」のように、リンク先の内容が分かる文言にする

とくに③のアンカーテキスト(リンクに表示される文字)は見落とされがちです。「詳しくはこちら」ばかりだと、お客さんはクリック先が想像できず、検索エンジンもリンク先の中身を読み取れません。リンクの文字だけを読んでも、どこへ行くか分かる——これが良いアンカーテキストの目安です。

なお、多くのカート(BASE・STORES・Shopify・楽天など)には、パンくずや関連商品の表示機能がもともと備わっています。まずは今使っているカートで「パンくずが自動で出ているか」「関連商品をどう設定できるか」を確認するところから始めましょう。カートごとの設定は公式ヘルプが正確です(例:Shopify ヘルプセンター(メニューとリンク))。

具体例|「1ページで帰る」を減らした、あるアパレル店の話

あるアパレルのお店が、アクセス解析を見ていて「商品ページには来てくれるのに、そのまま1ページだけで帰る人が多い」ことに気づきました。試しに自分でお客さんのつもりで人気商品のページを開いてみると、いくつも「行き止まり」が見つかりました。

そこでこのお店は、大きな開発はせず、カートの標準機能とひと手間で3つだけ手を打ちました。

  1. 全ページにパンくずを表示。「トップ > レディース > ワンピース > 商品名」の形にして、各階層をリンクに。お客さんが1つ上のカテゴリへ戻れるようにした。
  2. 商品ページの下に「関連する内部リンク」を用意。同じシリーズの色違い、よく一緒に買われる商品、サイズ選びの解説ページへの導線を、「次に知りたい順」で並べた。
  3. リンクの文言を具体的に書き換え。「こちら」をやめ、「サイズガイド・実寸表の作り方」「送料・お届け日について」のように、押す前に中身が分かる文言にそろえた。

結果として、1人あたりに見てもらえるページ数(回遊)が増え、商品ページから別の商品へ移る人も増えました。新しい広告費は1円もかけていません。すでに来てくれていたお客さんに、「次に見たくなるもの」への道しるべを用意しただけです。回遊が増えれば、「これも良いな」と出会う機会が増え、まとめ買いのきっかけにもなります。さらに、関連ページ同士がつながったことで、検索エンジンにも「このお店はこのジャンルに詳しい」という文脈が伝わりやすくなりました。地味ですが、CVR(商品ページの買われやすさ)にも、検索からの流入にも、静かに効いてくる一手です。

あなたへの影響

明日やること

  1. 自分のお店の代表的な商品ページを1枚開き、一番下まで読んでから「次にどこへ行けるか」を確認する。行き止まりなら、関連商品・カテゴリ・解説への導線を足す。
  2. 全ページにパンくずが出ているかを確認する。無ければカートの機能で表示できないか調べ、各階層をリンクにする。
  3. 関連リンクを、お客さんが次に知りたい順(色違い→合わせ買い→判断材料の解説、など)で並べ直す。数は増やしすぎず、本当に関係の深いものに絞る。
  4. サイト内やブログのリンクの文言(アンカーテキスト)を確認し、「こちら」を、リンク先の中身が分かる言葉に書き換える。
  5. どこからも1回もリンクされていない孤立ページがないか探し、関連するページからリンクをつなぐ。
  6. 1か月後、アクセス解析で回遊(ページ/セッション)や直帰の変化、よく押される内部リンクを確認し、並び順を微調整する。

内部リンク・パンくず チェックリスト

関連テンプレ:内部リンクは「回遊の前後」とセットで効く

内部リンクとパンくずは単体でも効きますが、お客さんが動く流れの前後とセットで整えるとさらに活きます。お客さんが「探す」入口である一覧ページを整えると、そこから商品ページへの回遊がなめらかになります。詳しくはECカテゴリ・一覧ページの改善|「探す途中」で帰らせない回遊設計ECサイト内検索の改善|「探せない」を無くしてCVRを上げるが参考になります。

内部リンクはSEO(検索からの流入を増やす取り組み)の土台でもあります。商品ページで検索流入を増やす基本はECサイトのSEO基礎|商品ページで検索流入を増やす、クリックされる見出しの書き方はメタディスクリプション・タイトルタグの書き方、検索エンジンにページの中身を伝える仕組みは構造化データ(商品/FAQ/レビュー)でAIとSEOに効かせるで扱っています。「どの入口から来た人が、どこで離脱しているか」を数字で確かめたいときは直帰・離脱を減らす導線分析の進め方サーチコンソールで検索流入を分析するが役に立ちます。

まずは今日、自分のお店の一番人気の商品ページを開いて、一番下までスクロールしてみてください。そこに「次の一歩」への道しるべが無ければ、それがそのまま、明日の回遊と検索評価を取り戻す改善の入口です。

ページ同士がつながって、お客さんが気持ちよく店内を見て回れるようになり、手応えを感じて前を向くEC担当者の情景

関連記事・無料ツール

あなたのお店では、商品ページから「次の一歩」への道しるべを用意できていますか。よく見られている商品ページや、関連リンク・パンくずの有無を教えていただければ、無料診断で「どこにどんな内部リンクを足すと回遊とCVRが上がるか」を一緒に見ていきます。

参考(公式・一次情報)