スマホでネットショップの商品一覧をスクロールしながら、どれを選ぼうか迷っているお客さんの様子

ECカテゴリ・一覧ページの改善|「探す途中」で帰らせない回遊設計

「トップページや広告からはちゃんと来てくれているのに、なぜか注文までは進まない」。 アクセス解析を眺めていて、そんなモヤモヤを感じたことはないでしょうか。商品ページ単体は何度も見直したのに、売上がもうひと伸びしない。そんなとき、見落とされがちなのがカテゴリ・一覧ページです。お客さんがトップや検索・広告から入ってきて、商品ページにたどり着くまでの「探している途中」の通り道。ここで迷子になったり、疲れて帰ってしまったりする人が、実はかなりの数いるのです。

今日は、この一覧ページを整えて、お客さんに気持ちよくお店の中を見て回ってもらう「回遊(かいゆう=1人のお客さんがいくつもの商品ページを見て回ること)」の設計についてお話しします。派手なリニューアルは要りません。今のお店のまま、絞り込みと並び替え、そして見せ方の順番を少し直すだけで、取りこぼしていた注文は戻ってきます。一緒に、自分の一覧ページをお客さんの目で歩き直してみましょう。

結論:カテゴリ・一覧ページは「見比べて選ぶ」ための通り道。改善のポイントは大きく3つ、①絞り込み(条件で商品を減らす機能)と並び替えで「選びやすく」する ②一覧に載せる情報を整えて「一目で分かる」ようにする ③行き止まりを無くして次の一歩をつくるです。
進め方は、(1) まず自分のお店の代表的なカテゴリを、お客さんになったつもりでスマホで最後までスクロールしてみる → (2) 迷った・疲れた・止まった場所を書き出す → (3) 絞り込み・並び順・見せ方の順に、上流から手を打つ。この順番なら、大きな開発をせずとも回遊とCVR(商品ページを見た人のうち、どれくらいの人が買ってくれたかを見る数字=買われやすさ)は着実に上がります。

いま何が起きているか

カテゴリ・一覧ページは、お店でいえば「棚の並んだ売り場」です。お客さんはここを歩きながら、どれにしようかと見比べます。ところが、この売り場が歩きにくいと、買う気があった人まで途中で帰ってしまいます。よくあるつまずきが3つあります。

一つ目は選びにくさ。商品が何十件、何百件と並んでいるのに、絞り込みも並び替えもなく、ただ延々とスクロールさせられる状態です。「安い順に見たい」「Mサイズだけ見たい」「今すぐ買えるものだけ見たい」——お客さんの当たり前の要望に応えられないと、探す気力そのものが尽きてしまいます。

二つ目は一覧の分かりにくさ。並んでいる商品の写真がバラバラの構図だったり、価格や「送料無料」「在庫あり」といった大事な情報がパッと見で分からなかったり。一覧は、お客さんが1件あたり数秒しか見ません。その数秒で「気になる」と思わせられないと、タップされずに素通りされます。

三つ目は行き止まり。絞り込んだ結果が0件で真っ白になる、在庫切れ商品が上のほうに並んでいる、一覧の最後までスクロールしても次に見るものへの案内が無い。こうした「詰まり」があると、そこでお客さんの回遊はぷつりと途切れます。

これらは商品ページそのものの問題ではないので、なかなか気づかれません。けれど、一覧で疲れて帰る人は、本来あなたのお店で買ってくれるはずだった、意欲の高いお客さんです。だからこそ、ここを直すと効き目が大きいのです。

カテゴリ・一覧ページは「3つの層」を順に整える

カテゴリ・一覧ページを改善する3つの層(選びやすさ・見やすさ・次の一歩)を上から順に整理した図
一覧ページは「選ぶ→見比べる→次へ進む」の順にお客さんが動く。改善もこの上流から手当てすると迷わない。

やみくもに直そうとすると手が止まります。次の3つの層を、お客さんが動く順(上流から下流へ)に手当てするのがおすすめです。

お客さんの状態まずやること
① 選ぶ(絞り込み・並び替え)たくさんの中から候補を絞りたい「価格」「サイズ・色」「在庫あり」など、そのカテゴリで需要の高い絞り込みを用意。並び替えに「人気順」「価格順」「新着順」を入れる
② 見比べる(一覧の見せ方)絞った候補を一目で比べたい写真の構図をそろえ、価格・送料・在庫・レビューの星をカードに分かりやすく載せる
③ 次へ(受け皿・回遊導線)決めた/もう少し探したい0件のときの受け皿、在庫切れの下げ、関連カテゴリやおすすめへの導線を用意する

大事なのは、「お客さんが今どの状態か」に合わせて売り場を整えるという発想です。入ってすぐは「絞りたい」、絞った後は「見比べたい」、見比べた後は「次へ進みたい」。この流れに沿って上から直していくと、どこに手を打つべきかが自然と見えてきます。

なお、多くのカート(BASE・STORES・Shopify・楽天など)には、絞り込み(フィルタ)や並び替え、カテゴリ設定の機能がもともと備わっています。まずは今使っているカートで「絞り込み条件をどこまで設定できるか」「並び替えに何を出せるか」を確認するところから始めましょう。カートごとの具体的な設定方法は、各サービスの公式ヘルプが正確です(例:Shopify ヘルプセンター(コレクション)楽天RMS 操作マニュアル)。

具体例:一覧の「疲れる」を消した、ある雑貨店の話

あるインテリア雑貨のお店が、アクセス解析を見ていて「カテゴリページには入ってくるのに、そこから商品ページへ進む人が思ったより少ない」ことに気づきました。試しに自分でスマホを取り出し、お客さんのつもりで人気カテゴリを開いてみると、いくつも「あれ?」が見つかりました。

そこでこのお店は、大きな開発はせず、カートの標準機能の範囲で3つだけ手を打ちました。

  1. 絞り込みと並び替えを追加。「価格帯」「在庫あり」の絞り込みと、「人気順・価格の安い順・新着順」の並び替えを設置。お客さんが自分で候補を減らせるようにした。
  2. 一覧の1枚目写真を白背景・正方形にそろえ、価格と『送料無料』の表示を統一。使用シーン写真は商品ページの中で見せることにして、一覧は「見比べやすさ」を優先した。
  3. 在庫切れを一覧の下のほうに回し、ページ末尾に『関連カテゴリ』と『人気ランキング』への導線を追加。行き止まりを、次の一歩がある受け皿に変えた。

結果として、カテゴリページから商品ページへ進むお客さんの割合が上がり、1人あたりに見てもらえる商品ページの数(回遊)も増えました。新しい広告費は1円もかけていません。すでに来てくれていたお客さんの「探す途中の疲れ」を減らしただけです。回遊が増えるということは、それだけ「これいいな」と出会える機会が増えるということ。地味ですが、CVRにも客単価にも静かに効いてくる一手です。

あなたへの影響

明日やること

  1. 自分のお店の代表的なカテゴリを1つ選び、スマホでお客さんのつもりで最後までスクロールしてみる。「迷った・疲れた・止まった」場所をメモする。
  2. そのカテゴリに、絞り込み(価格・サイズ・色・在庫ありなど)と並び替え(人気順・価格順・新着順)があるか確認する。無ければカートの機能で追加できないか調べる。
  3. 一覧に並ぶ1枚目の写真の構図をそろえる(例:白背景・正方形に統一)。バラバラなら、見比べやすさを優先して整える。
  4. 一覧のカードに、価格・送料・在庫・レビューの星など「選ぶのに必要な情報」がパッと見で分かるか確認する。
  5. 在庫切れ・終売の商品が一覧の上位に来ていないかを確認し、下げるか非表示にできないか検討する。
  6. 絞り込みで0件になったときの画面と、一覧の一番下に、関連カテゴリ・人気商品・おすすめへの導線を用意し、行き止まりを無くす。

カテゴリ・一覧ページ改善 チェックリスト

関連テンプレ:一覧の「前後」もセットで整えると回遊が伸びる

カテゴリ・一覧ページの改善は、単体でも効きますが、その前後の導線とセットで見るとさらに活きます。お客さんが「探す」入口である検索窓も同じ発想で整えると、取りこぼしが減ります。詳しくはECサイト内検索の改善|「探せない」を無くしてCVRを上げるが参考になります。また、一覧で見比べた先の商品ページで「選ぶ理由」が伝わらなければ、せっかくの回遊も実を結びません。迷いを消して選んでもらう見せ方は比較表で「選ぶ理由」を作る商品ページ、色・サイズ違いの見せ方はカラー・サイズ等バリエーションの見せ方設計で扱っています。

一覧のほとんどはスマホで見られます。指で操作しやすいかはスマホ商品ページの離脱を防ぐ設計を、「どの入口から来た人が、どこで離脱しているか」を数字で確かめたいときは直帰・離脱を減らす導線分析の進め方GA4でECの売上を見る最初の一歩が役に立ちます。まずは今日、自分のお店の一番人気のカテゴリを、お客さんになったつもりでスクロールしてみてください。「疲れた」と感じた場所が1つ見つかれば、それがそのまま、明日の回遊とCVRを取り戻す改善の入口です。

ネットショップの一覧が見やすくなり、お客さんが気持ちよく商品を選べている明るい様子

関連記事・無料ツール

あなたのお店では、一覧ページでお客さんを迷わせずに商品まで案内できているでしょうか。よく見られているカテゴリや、絞り込みの有無を教えていただければ、無料診断で「どの絞り込みを足すべきか」「一覧の見せ方と受け皿をどう整えるか」を一緒に見ていきます。

参考(公式・一次情報)