たくさんの商品画像が並んだ管理画面を前に、空欄のままの画像説明欄に気づいて少し立ち止まるEC担当者

AIで商品画像のalt(代替テキスト)を作る|SEOとアクセシビリティを両立

「商品写真は時間をかけてきれいに撮った。でも、画像の“説明文”を入れる欄は、ぜんぶ空っぽのまま——」。管理画面をスクロールしていて、ふとそのことに気づいた瞬間、ありませんか。撮影や商品ページの本文には力を注いできたのに、画像一枚ずつに付ける短い説明(これがalt=代替テキストです)だけは、なんとなく後回しになりがちです。

でも、この空欄は、思っている以上にもったいない。alt(オルト。画像に添える説明文のこと)は、検索エンジンに「この画像は何か」を伝える手がかりであり、同時に、目の見えないお客さまが画面読み上げソフトで買い物をするときの“唯一の商品説明”にもなります。とはいえ、数百点の画像に一枚ずつ言葉を考えるのは、正直しんどい。今日は、AI(画像を見て説明文を下書きしてくれる生成ツール)を“最初の一文を書く相棒”にして、検索にも人にも届くaltを、ひとり担当者でも無理なく付けていく流れを、いっしょに組み立てていきましょう。

結論:altは「AIに丸ごと作らせて自動反映」ではなく、①どんなaltにしたいか(何を書き・何を書かないか)のルールを人が先に決める → ②AIに商品情報と画像を渡して下書きさせる → ③人が事実と表現を確認して登録する、の3ステップに分けると、速さと正確さを両立できます。
altに向くのは「画像に何が写っているかを、見えない人にも伝わるように、短く具体的に書く」こと。AIが得意なのは、この“短い説明文の下書きを大量に、素早く”作ること。苦手なのは、商品名・型番・色番号といった事実の正確さと、誇大にならない表現の見極めです。この役割分担を決めておけば、迷わず安全に速くなります。

いま何が起きているか|空欄のaltが、検索と「買えないお客さま」を取りこぼしている

altは、ふだん画面には表示されません。だから「無くても困らない」ように見えます。けれど、見えないところで2つの大切な役割を果たしています。

ひとつは、画像SEO(画像を検索から見つけてもらう工夫)です。検索エンジンは写真そのものの中身を人間ほど正確には理解できないため、altの文章を手がかりに「この画像は何か」を判断します。altが空欄だと、Googleの画像検索からの流入という入り口を、みすみす閉じてしまうことになります。Googleも、画像には内容を的確に表す説明文を付けるよう案内しています(→Google 検索セントラル「Google 画像検索に関するおすすめの方法」)。

もうひとつが、アクセシビリティ(誰もが使えるようにする配慮)です。目の見えないお客さまは、スクリーンリーダー(画面の文字を音声で読み上げるソフト)を使ってページを“聞いて”います。このとき、altが空欄の画像は「画像」とだけ読み上げられたり、ファイル名がそのまま読まれたりして、何が写っているのか伝わりません。逆に「ベージュのリネン素材のワンピース、正面全身」と書いてあれば、その一文がそのまま商品説明になります。altは、見えないお客さまにとっての“商品写真そのもの”なのです。

ではなぜ空欄が放置されるのか。答えはシンプルで、数が多く、手間がかかるからです。1商品に5枚の画像があれば、100商品で500枚。一枚ずつ言葉を考えていたら、それだけで何日も溶けます。だからこそAIの出番なのですが、使い方を間違えると逆効果になります。よくある失敗が、AIが作ったaltを中身を確かめずにそのまま一括登録すること。AIは、写真を見て「赤いカーディガン」と書いてくれますが、実際の商品名が「ボルドー」で、型番やサイズ展開までは写真から読み取れません。事実を取り違えたaltは、検索にも読み上げにも“間違った情報”を流してしまいます。もうひとつの落とし穴が、altに「最安」「日本一」「必ず〇〇できる」といった誇大な言葉や、キーワードだけを詰め込むこと。前者は景品表示法(うそや大げさな表示を禁じるルール)に触れるおそれがあり、後者は検索エンジンからの評価をむしろ下げます。だからAIには、「何を・どんな粒度で書き、何を書かないか」をそろえて指示することが、品質を守る土台になります。

具体例:1つの商品画像にAIでaltを付ける手順

商品画像と商品情報から、AIの下書きを経て、人が確認してaltを登録するまでの流れを示した図
AIは真ん中の「下書き」を担当。ルール決めと、登録前の確認は人が受け持つ。この線引きが速さと正確さを両立させる。

難しそうに見えますが、手順に分ければシンプルです。ここでは「ベージュのリネンワンピース」を例に、正面・全身の1枚にaltを付ける流れを、いっしょにやってみましょう。

①どんなaltにするか、ルールを人が先に決める 最初に“型”を決めておくと、AIの下書きがブレません。おすすめは「色+素材+商品カテゴリ+写っている向き・場面」を基本形にすること。たとえば「ベージュのリネンワンピース、正面全身」「同ワンピースの襟元の生地アップ」のように。合わせて、書かないことも決めます。商品名・型番・キャッチコピーの丸写しはしない(altは写真の説明であって宣伝文ではないため)、「最安」「日本一」などの誇大表現は入れない長さは全角40〜60字を目安に、要点だけ。この“ものさし”を先に人が握るのが、いちばん大事な工程です。

②AIに商品情報と画像を渡して下書きさせる 次に、AIへ画像(または画像の内容)と、確認済みの商品情報を渡して下書きを頼みます。ポイントは、写真から読み取れないこと(正しい色名・素材・カテゴリ)は、人が“素材”として一緒に渡すこと。「この画像のalt。商品=リネン100%のワンピース、色は公式表記でベージュ、正面・全身が写っている。色+素材+カテゴリ+向きの順で、40〜60字、宣伝文句や型番は入れない」と指定すれば、「ベージュのリネン素材のワンピースを着た女性の正面全身」といった下書きが返ってきます。同じ要領で、複数枚をまとめて頼めば、一気に下書きが揃います。

③人が「事実」と「表現」を確認して登録する ここが、省いてはいけない工程です。確認するのは主に3点。(1)事実——色名・素材・カテゴリが、実際の商品情報と合っているか(AIが「ベージュ」を「白」と書いていないか)。(2)表現——誇大な言葉やキーワードの詰め込みになっていないか。(3)重複——同じ商品の別カットに、まったく同じaltを使い回していないか(画像ごとに写っているものは違います)。問題がなければ登録。AIは下書きまで、登録の判断は人。この線引きさえ守れば、数百枚でも安全に速く進められます。

やりがちなNGと、その直し方
AIの下書きを確かめず一括登録:色名・素材の取り違えに気づけない。→ 色・素材・カテゴリの事実欄だけは人が突き合わせる。
商品名やキャッチコピーをそのままalt化:写真の説明になっていない。→ 「何が写っているか」を短く具体的に書く型に直す。
全カットに同じaltを使い回す:読み上げでも検索でも“同じ画像”に見える。→ 「正面」「襟元アップ」など、そのカット固有の情報を足す。
キーワードや誇大表現の詰め込み:評価が下がり、景表法のおそれも。→ 事実を短く。宣伝はページ本文に任せる。

コピペで使えるプロンプト

ここまでの「商品画像にAIでaltを付ける」流れを、そのままAIに頼める形にまとめました。下の枠をまるごとコピーして、〈〉の中をあなたの店の言葉に置き換えるだけで使えます。色名・素材・カテゴリなどの事実は必ず人が確認してから渡し、出てきた下書きは登録前にもう一度、事実と表現を確かめましょう。画像そのものを読み取れるAIを使う場合は、画像を添えたうえでこの指示文を使ってください。

あなたはECサイトの担当者で、商品画像のalt(代替テキスト)を書く専門家です。
以下の入力素材だけを使い、画像1枚ごとのaltの下書きを作ってください。

# 入力素材
- 商品カテゴリ:〈ワンピース/スニーカー など〉
- 色(公式表記・人が確認済み):〈ベージュ など〉
- 素材・特徴(人が確認済み):〈リネン100% など。無ければ「なし」〉
- 各画像に写っているもの:
  1枚目〈正面・全身〉
  2枚目〈襟元の生地アップ〉
  3枚目〈着用イメージ・屋外〉

# 出力条件
- 各画像について、altを1つずつ作る。
- 型は「色+素材+カテゴリ+写っている向き・場面」を基本に、自然な日本語の一文で。
- 長さは全角40〜60字を目安に、要点だけを具体的に。
- 画像ごとに、そのカット固有の情報(向き・部位・場面)を必ず変える。
- 入力素材にない色名・素材・型番・数値は、絶対に推測で足さない。分からなければ書かない。

# 禁止
- 商品名・型番・キャッチコピーの丸写し(altは写真の説明であって宣伝文ではない)
- 「最安」「日本一」「必ず〇〇できる」などの誇大・最上級表現(景品表示法に触れるおそれ)
- 効果・効能の断定(化粧品・健康食品の場合。薬機法に触れるおそれ)
- 同じキーワードの繰り返しや、キーワードだけの詰め込み

まずはこの1枚を、いちばん売れている商品の画像で試してみてください。返ってきた下書きを見て、「ここは実物と違う」「ここは店の言葉に直したい」と感じた部分こそ、人が確認すべき勘どころです。

あなたへの影響

明日やること

  1. まず“altの型”を1つ決める(例:色+素材+カテゴリ+向き・場面/40〜60字/宣伝文句と型番は入れない)。
  2. いちばん売れている商品を1つ選び、色・素材・カテゴリの正しい情報を人が用意する(写真から読み取れない事実はここで確定)。
  3. 上の「コピペで使えるプロンプト」に当てはめて、その商品の全カットぶんのaltをAIに下書きさせる。
  4. 出てきた下書きを、事実・表現・重複の3点で確認して登録する。うまくいったやり方を“型”としてメモし、次の商品へ広げる。

AI画像alt付けチェックリスト

altは、ふだん誰の目にも触れない、地味な一行です。でもその一行は、検索から新しいお客さまを連れてきて、画面を“聞いて”買い物する人にも、あなたの商品の魅力を届けてくれます。全部を完璧にする必要はありません。まずは売れ筋の1商品から、AIに下書きを頼んで、人の目で仕上げてみる。その小さな一歩の積み重ねが、「誰にでも見つけてもらえて、誰にでも買いやすいお店」へと、静かにお店を育てていきます。今日、空欄のままだった一枚から、始めてみましょう。

商品画像に説明を付け終え、より多くのお客さまに商品が届く手応えを感じて明るい表情の担当者

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参考(公式・一次情報)