
AIで商品紹介の動画を作る手順|台本づくりを軽くする実践ガイド
「短い動画があると売れやすいらしい」——そう聞くたびに、心のどこかが少し重くなる。カメラの前で話すのは苦手だし、編集ソフトは開いた瞬間に閉じたくなる。撮る時間もない。結局「うちには無理」と、いつも後回しにしてきた。そんな覚えはありませんか。
でも、いざ動画を作ろうとして手が止まる理由の多くは、「撮影」でも「編集」でもなく、その手前の「何を、どんな順番で見せるか」が決まらないことだったりします。ここを埋めてくれるのが、AI(文章や素案を作ってくれる生成ツール)です。今日は、AIに台本(動画で話す・見せる中身の設計図)と素材づくりの重い最初の一歩を任せ、商品紹介の短い動画を一人でも無理なく作る流れを、一緒に組み立てていきましょう。「AIに丸投げ」ではなく、事実と実物の確認は人が握る——その線引きさえ守れば、動画づくりはぐっと軽くなります。
結論:AIで商品紹介の動画を作るコツは3つです。①AIには「台本・構成・キャプション(画面に出す短い文字)」を作らせ、撮影する映像と実物は人が用意する——AIは設計図係、事実は人が握る。②15〜30秒の短い型(つかみ→困りごと→見せる→ひと押し)に沿って作る——長く凝るより、短く要点を。③公開前に、実物とズレた誇張や、根拠のない効果の言い切りがないか人が確認する。動画は、商品ページの買われやすさ(CVR=ページを見た人のうち買ってくれた割合)を後押しする強い味方です。まずは主力商品1つで、AIに台本を1本書かせるところから始めます。
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文章だけだとイメージしにくい方へ。このページの内容を、動画でやさしく解説しました。読んでもピンとこなかったところは、ぜひ動画で確かめてみてください。
いま何が起きているか|「動画が作れる人」の条件が変わった
少し前まで、商品紹介の動画を作るには、撮影機材・編集ソフト・そして何より「編集の技術と時間」が必要でした。だから、動画は「余力のある大きな店のもの」で、一人運営の店にとっては憧れのまま、という状態が続いていました。
いま、その前提が変わりつつあります。AIが、動画づくりでいちばん時間のかかっていた工程を肩代わりできるようになったからです。具体的には、こんな使い方が現実的になりました。
- 台本・構成づくり:商品の特徴とターゲット(届けたいお客さん)を伝えると、「つかみ→困りごと→見せる場面→ひと押し」といった構成の台本を、数十秒ぶん、すぐに出してくれる。
- ナレーション原稿・字幕(キャプション):話す言葉や、画面に出す短い文字を、指定した長さ・口調でそろえてくれる。
- 画像素材の補助:背景の差し替えや、動きのある素材の下ごしらえなど、素材づくりの一部を助けてくれる(AIで画像を作る話はAIで商品画像・バナーを作る実践ガイドにまとめています)。
ただし、ここで大事な線引きがあります。動画に映る「商品そのもの」は、本物の映像・写真を使うのが基本です。AIが作った“それらしい商品映像”は、実物と色や質感がズレることがあり、そのまま使うと「届いた商品が違う」というトラブルや、景表法(消費者をだます表示を禁止する法律)に触れるおそれにつながります。AIには台本・言葉・見せ方の設計を任せ、商品の実物と、送料・在庫・効果などの事実は人が用意する。この役割分担が、速さと安全を両立させる土台です。
もう一つ気をつけたいのが、AIがもっともらしい誤りを書いてしまうこと(これをハルシネーションと呼びます)。AIは、実在しない機能や、根拠のない「一番」を、自信ありげに台本へ混ぜてくることがあります。だからこそ、公開前の事実確認は省けません。
具体例|主力商品1つで、15秒の紹介動画を作る手順

難しく考えると手が止まります。工程を4つに分ければ、一人でも回せます。「毎日使えるステンレスの水筒」を例に、一緒にやってみましょう。
①素材を用意する(人) まず、動画に使う本物の素材を集めます。スマホで撮った短い映像でかまいません。「全体が分かる映像」「使っている場面(飲んでいる・カバンに入れる)」「細部(フタの構造・手ざわり)」の3種類があれば十分です。ここで商品の実物を映すのが鉄則。あわせて、台本の材料になる事実——素材(ステンレス)・容量・保温時間・価格・送料の条件などを、正しい数字でメモしておきます。
②AIに台本とキャプションを書かせる(AI) 用意した事実をAIに渡し、「15秒の商品紹介動画の台本を、つかみ→困りごと→見せる場面→ひと押しの順で。画面に出す短いキャプション付きで」と頼みます(具体的な指示文は次の「コピペで使えるプロンプト」に用意しました)。すると、「① 朝、まだ温かいコーヒーを持ち出せたら → ② でも普通の水筒はすぐぬるい → ③ この水筒は◯時間保温(例)→ ④ 詳しくは商品ページで」といった、秒数とキャプションのついた台本が返ってきます。話す言葉の順番と、画面に出す文字が決まる——ここが動画づくりのいちばん重い部分でした。
③台本に沿って撮影・組み立てる(人+ツール) できた台本の順番どおりに、①で撮った映像を並べます。スマホの無料アプリでも、台本があれば「どの映像を何秒、どんな文字とともに置くか」が決まっているので、迷いません。凝った編集は不要。要点が短く伝わることを優先します。ナレーションを入れる場合も、AIが作った原稿を読むだけです。
④公開前に人が確認する(人) 最後は、いちばん省いてはいけない工程です。確認するのは主に3点。(1)事実——保温時間・容量・価格・送料などが、メモした数字と合っているか。(2)実物とのズレ——映像や演出が、届く商品より良く見せすぎていないか。(3)表現——「一番」「絶対に冷めない」など、根拠のない言い切りや効果の断定がないか。とくに化粧品や健康食品では、効果・効能の断定は薬機法に触れるおそれがあるため、慎重に。AIは台本まで、公開の判断は人。この線引きだけ守れば、速く作っても事故は防げます。
やりがちなNGと、その直し方
・AIが作った“商品映像”をそのまま使う:実物と色・質感がズレてトラブルに。→ 商品そのものは本物の映像・写真を使う。
・台本の数字を確かめず公開:保温時間や容量が違っていても気づけない。→ 事実欄はメモと突き合わせて確認。
・盛り込みすぎて30秒超え:要点がぼやける。→ 1本1メッセージ。伝えたいことは1つに絞る。
・BGMや素材を出所不明のまま使う:著作権のトラブルに。→ 使ってよい素材か規約を確認(EC素材の著作権)。
コピペで使えるプロンプト
上の「②AIに台本とキャプションを書かせる」を、そのままAIに頼める形にまとめました。下の枠をまるごとコピーして、〈〉の中をあなたの商品の言葉に置き換えるだけで使えます。保温時間や価格などの事実は必ず人が確認した数字を入れ、出てきた台本は公開前にもう一度、実物と突き合わせてください。
あなたはECショップの動画担当です。
以下の入力素材だけを使い、短い商品紹介動画の台本を作ってください。
# 入力素材
- 商品名:〈ステンレス水筒(容量◯ml)〉
- 届けたいお客さん:〈朝の通勤時に温かい飲み物を持ち歩きたい人 等〉
- 伝えたい事実(人が確認済み):〈素材ステンレス・保温◯時間・容量◯ml・価格◯円・◯円以上で送料無料 等〉
- 動画の長さ:〈15秒 / 30秒 から1つ〉
- 口調:〈親しみやすい・落ち着いた など〉
# 出力条件
- 構成は「①つかみ(お客さんの場面)→②困りごと→③商品で解決する見せ場→④ひと押し(商品ページへ)」の順。
- 各パートに「秒数の目安」と「画面に出す短いキャプション(15字以内)」を付ける。
- ナレーション原稿(読み上げる言葉)も各パートに付ける。
- 入力素材にない事実(数値・効果・実績など)は絶対に足さない。分からない部分は〔要確認〕と書く。
# 禁止
- 「一番」「日本一」「絶対」など、根拠のない最上級・断定(景表法に触れるおそれ)
- 効果・効能の断定(化粧品・健康食品などは薬機法に触れるおそれ)
- 実物より良く見せる誇張表現
- 出所の不明な引用・キャッチコピーの流用
まずはこの1枚を、あなたの主力商品1つで試してみてください。返ってきた台本を見て、「ここは自分の言葉に直したい」と感じた部分こそ、あなたの店らしさが宿るところです。
あなたへの影響
- 「ゼロから構成を考える」から「AIの台本を直す」に変わると、動画1本にかかる時間が短くなり、後回しにしていた動画にようやく手をつけられる。
- 台本とキャプションが先に決まるので、撮影と編集で迷わなくなり、編集が苦手でも短い動画を形にできる。
- 短い紹介動画を商品ページやSNSに置けると、文字だけでは伝わりにくい大きさ・使う場面・質感が届き、商品ページの買われやすさ(CVR)やカゴ落ち(買う直前で離脱されること)の改善につながりやすい。
- 事実と実物の確認を仕組みにすれば、速く作っても誇張や誤案内が起きにくくなり、動画がきっかけの返品やクレームを防ぎやすい。
明日やること
- 主力商品を1つ選び、スマホで「全体」「使う場面」「細部」の短い映像を撮る(実物を映す)。
- その商品の事実(素材・容量・保温時間・価格・送料条件など)を、正しい数字でメモする。
- 上の「コピペで使えるプロンプト」に当てはめて、AIに15秒の台本とキャプションを作らせる。
- 出てきた台本を、事実(数字)と実物とのズレ、表現(根拠のない断定がないか)の3点で確認し、自分の言葉に直す。
- 台本の順番どおりに映像を並べて短い動画にし、商品ページやSNSに置いてみる(動画の置き方は商品ページに動画を入れてCVRを上げるを参考に)。
AI動画づくり チェックリスト
- 動画に映る商品そのものは、本物の映像・写真を使っている
- AIに渡す前に、保温時間・容量・価格・送料などの「事実のメモ」を人が確認して用意した
- 15〜30秒で、伝えたいメッセージを1つに絞っている
- 台本の数字が、用意したメモと合っているか公開前に突き合わせた
- 実物より良く見せすぎる演出・誇張になっていないか確認した
- 「一番」「絶対」などの根拠なき最上級・断定(景表法)を避けている
- 化粧品・健康食品などで効果・効能を断定していないか(薬機法)確認した
- BGM・素材は、使ってよいものか規約・出所を確認している
- AIは台本まで、公開の判断は人、という線引きを守っている

動画は、「話すのが得意な人」「編集ができる人」だけのものではなくなりました。重かった「何を、どんな順番で見せるか」をAIに手伝ってもらえば、残るのは、あなたの商品を本物の映像で見せることと、最後にひと目で事実を確かめること。完璧な1本を目指すより、まずは15秒。主力商品1つで、AIに台本を1本書かせてみる。その小さな一歩が、文字だけでは伝えきれなかった商品の魅力を、お客さんに届けてくれるはずです。
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