スマホで自社の商品動画を見ながら、動画広告を出してみようか考えているEC担当者

動画広告でECの認知を広げる始め方|YouTube・TikTokを小さく試す

検索広告は毎月まわしている。でも、ふと思う。「そもそも、うちの店を知らない人には、何も届いていないんじゃないか」。指名検索も伸びず、新規のお客さんがなかなか増えない——。SNSを開けば、同じジャンルの他店の動画がどんどん流れてくるのに、自分の店はそこにいない。そんなもどかしさを感じたことはありませんか。

そこで候補になるのが動画広告です。YouTubeやTikTokの動画の合間に流れる、あの短い広告のことです。ただ、動画広告は「今すぐ買う人」を刈り取る検索広告とは役割が違います。ここを取り違えて「出したのに全然売れなかった」と早々にやめてしまう人が本当に多い。今日は、動画広告をいきなり大きく始めず、少額で小さく試す手順を、既存の素材を使いながら一緒に整えていきます。

結論:動画広告は、まだ店を知らない人に「こんな商品があるよ」と伝える認知(にんち=存在を知ってもらう段階)のための広告です。検索広告のように「その場で即購入」を狙うと期待外れになります。だから始め方のコツは、(1) 目的を「認知を広げる」に固定する、(2) 効果を測る受け皿(リターゲティングや指名検索)を先に用意する、(3) 縦型の短い動画を少額で小さく試す——の3つ。1本の当たり動画を、小さく回して探しにいきましょう。

このページを動画で見る

文章だけだとイメージしにくい方へ。このページの内容を、動画でやさしく解説しました。読んでもピンとこなかったところは、ぜひ動画で確かめてみてください。

このページの内容を動画で解説しています
このページの内容を音声で聴く

いま動画広告で何が起きているか

スマホで動画を見る時間が当たり前になり、YouTubeやTikTok、Instagramのリールなど、動画の合間に広告が差し込まれる場面が一気に増えました。文字や画像のバナーよりも、動きと音で商品の使用シーンを伝えられるのが動画広告の強みです。「使っているところ」が数秒で伝わるので、まだ商品を知らない人の興味を引きやすいのです。

一方で、多くのEC担当者がつまずくポイントもはっきりしています。動画広告を検索広告と同じ物差しで見てしまうことです。検索広告は「送料 無料 ライン」のように、すでに買う気で調べている人に当てる刈り取りの広告。対して動画広告は、まだ何も探していない人の画面に、こちらから割り込んで見せる広告です。そのため、出したその日にすぐ売上につながることは多くありません。ここで「ROAS(ロアス=広告費に対してどれくらい売上が返ってきたかを見る数字)が低い」と判断して止めると、認知を広げる効果を取りこぼしてしまいます。

もう一つの変化は、動画のハードルが下がったことです。以前はテレビCMのような凝った映像が必要でしたが、今は縦型(9:16)のスマホ動画で十分。商品を手に取って見せる、使う様子を映す——それだけで広告になります。すでに撮りためた商品写真や短い動画があれば、それを組み合わせるところから始められます。

具体例:15秒の動画を「つかみ→商品→ひと言」で組む

やることはシンプルです。縦型で15秒前後の短い動画を、次の3ブロックで組み立てます。

  1. つかみ(最初の2秒):ここが命です。多くの人は音を出さずに見ていて、面白くなければ指ですぐ飛ばします。「こんな悩み、ありませんか?」や、商品を使う一番いいシーンを、いきなり見せます。
  2. 商品(中盤):何の商品で、どう役立つのかを短く。ナレーションや文字テロップで補います。「よく見せよう」と盛りすぎないのがコツです(届いたときのギャップは返品や低評価につながります)。
  3. ひと言(最後):「詳しくはプロフィールから」「〇〇で検索」など、次に何をすればいいかを一つだけ添えます。欲張って複数の行動を促さないこと。

そのうえで、「どの目的に、どの媒体・出し方が向くか」をざっくり整理すると、迷いが減ります。

やりたいこと向いている媒体・出し方(例)
幅広い人に安く見てもらうYouTubeのスキップ可能な広告・6秒のバンパー広告
若い層に発見してもらうTikTokやリールの、おすすめに流れる広告
一度サイトに来た人へ再アプローチリターゲティング(後述)で動画を再表示

ここで大事なのが、リターゲティング(一度サイトに来た人を追いかけて、もう一度広告を見せる仕組み)です。動画広告で「知ってもらった人」が、その日は買わずに離れても、後日リターゲティングや指名検索でもう一度出会えば、購入につながりやすくなります。動画広告は単独で完結させず、「認知→再訪→購入」の入り口として設計するのが、失敗しないいちばんのコツです。

動画広告で認知を広げ、サイト訪問・リターゲティングを経て購入につながる流れを示した図
動画広告は「認知」の入り口。すぐ買わなくても、再訪や指名検索を経て購入につながる。

課金の仕組みも、ざっくりでいいので押さえておきましょう。動画広告は、多くの場合「CPM(シーピーエム=広告が1000回表示されるごとにかかる費用)」や、一定秒数見られたら課金される形で費用が発生します。1回のクリックで課金される検索広告とは考え方が違い、まず「見てもらう回数」を買うイメージです。だから効果は、その場のクリックや売上だけでなく、後の指名検索やサイト来訪の伸びも合わせて見ます。金額の目安や課金方式は媒体の公式ヘルプで最新の内容を確認してください(Google 広告ヘルプTikTok For Business(公式))。

あなたへの影響

明日やること

  1. 目的を「認知」に固定し、計測の受け皿を先に用意する。サイトにリターゲティング用のタグを入れ、アクセス解析(GA4など)で「動画広告を出した後、指名検索やサイト流入が増えたか」を見られる状態にしておく。受け皿がないまま出すと、効果が測れず判断できません。
  2. 縦型15秒前後の動画を1〜3本、手元の素材で作る。最初の2秒で商品が分かること、音なしでも意味が通るよう文字テロップを入れることの2点だけ守れば十分。凝った編集より、まず数本を試すことを優先します。
  3. 少額の日予算で、ターゲットを絞って1〜2週間回す。いきなり広げず、性別・年代・興味などを絞って小さく始める。1〜2週間後に、視聴のされ方(最後まで見られた動画はどれか)と、指名検索・サイト流入・リタゲ経由の購入で効果を確かめ、当たった動画に寄せていきます。

動画広告と聞くと、「うちみたいな小さな店には早い」「本格的な機材がないと無理」と身構えてしまうかもしれません。でも、始まりはスマホで撮った15秒の動画1本と、数百円の日予算で十分です。大切なのは、完璧な1本を待つことではなく、小さく試して、当たりを探しにいくこと。まずは今ある素材で1本作り、少額で回すところから、そっと踏み出してみませんか。

動画広告をきっかけに新しいお客さんが増え、手応えを感じて明るい表情のEC担当者

チェックリスト

関連テンプレート・無料ツール

あなたのお店で「動画広告を出すとしたら、どの商品から始めるか」迷っていませんか。商品ページを見せていただければ、無料診断で「動画1本目の切り口とターゲットの絞り方」をお返しします。

参考(公式・一次情報)