検索広告のレポートを見ながら、クリックは多いのに注文につながらない原因を探そうと考え込むEC担当者

リスティング広告のキーワード設計|除外KWで無駄な広告費を減らす

「検索広告を出したら、クリックはちゃんと増えた。なのに、注文はほとんど増えていない」——レポートのクリック数だけ見て安心していたのに、月末に広告費と売上を並べてため息。そんな経験はありませんか。がんばって出稿したぶん、報われてほしいですよね。

クリックが無駄になっているとき、その原因の多くは「どんな検索に広告を出すか」と「どんな検索には出さないか」の設計が甘いことにあります。買う気のない検索にまで広告が出て、クリックされ、そのたびに広告費だけが静かに減っていく。今日は、リスティング広告(検索結果に出すクリック課金型の広告)のキーワード設計を整理し、除外キーワードで無駄打ちを止めるところまでを、現場の手順で一緒に進めていきましょう。

結論:リスティング広告は「たくさんのキーワードで広く出す」より、買う気のある検索に絞り、買う気のない検索を除外キーワードで止めるほうが、同じ広告費で注文が増えます。
①売れるキーワードを「買う直前の言葉」中心に選ぶ → ②マッチタイプ(キーワードと検索語のどこまで一致で出すかの設定)で広がりすぎを抑える → ③検索語句レポートを見て、関係ない検索を除外キーワードに登録する。この3つを回すだけで、ムダなクリックが減り、注文あたりの費用が下がります。

いま何が起きているか:広く出すほど、無駄打ちが増える

リスティング広告でいちばん多いのが、「思いつくキーワードを大量に入れて、あとは放置」というパターンです。一見たくさんの人に届きそうですが、実際には「商品名 とは」「商品名 自作」「商品名 無料」のような、買う気のない検索にまで広告が出てしまいます。クリックはされるので数字は動く。でも、その人は最初から買うつもりがないので、注文にはつながりません。

ここで効いてくるのがマッチタイプです。マッチタイプとは、登録したキーワードに対して、どこまで似た検索のときに広告を出すかを決める設定のことです。広く出る設定(部分一致に近いもの)にすると、思ってもいなかった検索にまで広告が出て、無駄なクリックが増えがちです。逆に、検索の言葉とほぼ一致したときだけ出す設定にすれば、的を絞れます。

そしてもう一つの主役が除外キーワードです。除外キーワードとは、「この言葉が含まれる検索には広告を出さない」と指定する設定のこと。たとえば「無料」「中古」「求人」「自作」「やり方」などを除外しておくと、買う目的ではない検索に広告費を使わずに済みます。クリック単価(CPC=1クリックにかかる広告費)が同じでも、注文につながらないクリックを減らせれば、CPA(注文1件を獲得するのにかかった広告費)はぐっと下がります。

つまり、広告の良し悪しは「どれだけ多く出すか」ではなく、「買う人に出して、買わない人に出さない」をどこまで設計できているかで決まります。

具体例:キーワード設計と除外の手順

検索する人を「買う気」の強さで3つの層に分け、広告を出す層と除外する層を仕分けした図
検索の言葉には「買う気」の濃さがある。買う直前の言葉に広告を出し、情報集めや無関係の言葉は除外していく。

頭で考えると難しそうですが、手を動かす順番はシンプルです。一緒に進めてみましょう。

①「買う直前の言葉」を中心にキーワードを選ぶ 検索する人の言葉には、買う気の濃さに差があります。「ランニングシューズ おすすめ」はまだ下調べ段階。一方で「ランニングシューズ 26.5cm 通販」「商品名 価格」「商品名 購入」のように、サイズ・型番・通販・購入といった言葉が付くと、買う直前のサインです。まずはこの「買う直前の言葉」に予算を寄せます。ブランド名や商品名そのものでの指名検索(あなたの店や商品を名指しで探している検索)も、最も注文につながりやすいので優先しましょう。

②マッチタイプで広がりすぎを抑える キーワードを登録するときは、いきなり広く出す設定にせず、検索語とほぼ一致したときに出る設定(完全一致・フレーズ一致に近いもの)から始めるのが安全です。広く出す設定は反応を集めやすい反面、関係ない検索を拾いやすいもの。最初は的を絞り、後述の検索語句レポートを見ながら、効くものだけ少しずつ広げていくと、無駄打ちを抑えられます。

③検索語句レポートを見て除外キーワードを足す ここが、いちばん効く一手です。広告管理画面には、「実際にどんな言葉で検索されて広告が表示・クリックされたか」が分かる検索語句レポートがあります。これを週に1回見て、

——のように、注文につながっていない検索を見つけて、除外キーワードに登録します。これを毎週続けるだけで、ムダなクリックが少しずつ消え、同じ予算が「買う人」に回るようになります。

やりがちなNGと、その直し方
キーワードを入れて出しっぱなし:無駄打ちが溜まり続ける。→ 週1で検索語句レポートを見て除外を足す。
いきなり広いマッチタイプで大量出稿:関係ない検索を拾い費用が膨らむ。→ 狭い設定から始め、効くものだけ広げる。
クリック数だけで良し悪しを判断:注文につながらないクリックも「成果」に見えてしまう。→ CPA(注文1件あたりの費用)で見る。
指名検索と一般検索を混ぜて評価:本当に効いている言葉が見えなくなる。→ 指名・一般・除外候補をグループで分けて管理する。

このとき、競合の商品名や「日本一」「最安値」などの表現を広告文に安易に使うのは避けてください。根拠のない最上級表現は景品表示法(優良誤認・有利誤認)に触れるおそれがあります。広告文は、実際に提供している価値の範囲で、正直に書きましょう。

あなたへの影響

明日やること

  1. 広告管理画面で検索語句レポートを開き、直近1か月で「クリックは多いのに注文ゼロ」の検索語を書き出す。
  2. その中から「買う気のない言葉(無料・自作・やり方・中古・求人 等)」を選び、除外キーワードに登録する。
  3. 主力商品で「買う直前の言葉」(サイズ・型番・通販・購入・指名検索)を5〜10個リストにして、優先キーワードにする。
  4. 新しく出すキーワードは、まず狭いマッチタイプから始める設定にする。
  5. 「毎週月曜に検索語句レポートを見て除外を足す」を、カレンダーに繰り返し予定として入れる。

リスティング広告キーワード設計チェックリスト

キーワードと除外の設計を整え、広告費が注文につながる手応えを感じて明るい表情で前を向くEC担当者

リスティング広告は、キーワードを増やすほど成果が出るものではありません。効くのは、買う人に出して、買わない人に出さないという、シンプルだけれど続けにくい一点です。まずは検索語句レポートを開いて、注文ゼロのクリックを一つ除外するところから。来月のレポートでは、クリック数だけでなく注文の数字も一緒に上向く——そんな手応えを、きっと感じられます。

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