パソコンで商品ページの文章を一文ずつ見直しながら、AIを相棒に落ち着いて校正を進めるEC担当者

AIで商品ページを校正する|誤字脱字・表記ゆれを整える手順

「商品ページを公開したあとに、タイトルの誤字に気づいてヒヤッとした」「同じ商品なのに、あるページでは『Tシャツ』、別のページでは『ティーシャツ』と書いていた」——こんな経験、ありませんか。文章を書いた本人は、思い込みで読み飛ばしてしまい、自分のミスになかなか気づけないものです。かといって、何十ページもある商品説明を、ひとりで何度も読み返すのは、正直もう限界に近い。

今日は、そんなあなたと一緒に、AI(文章の誤りや読みにくさを指摘してくれる生成ツール)を“もう一人の校正担当”として使い、誤字脱字・表記ゆれ・読みにくさを素早く洗い出す校正フローを組み立てていきます。AIで商品説明を作る実践ガイドが「ゼロから書く」話、AIで既存商品ページをSEOリライトするが「検索を意識して書き直す」話だとすれば、この記事は「すでにある文章を、きれいに整える」ことに絞った話です。ゼロから作るより地味ですが、お店の印象を静かに支える大事な工程です。

結論:AIに文章の良し悪しを“判定”させるのではなく、①自店の表記ルール(ものさし)を先に決める → ②AIに誤字脱字・表記ゆれ・読みにくさを洗い出させる → ③人が「事実・数値・効果表現」を最終確認して直す、の3ステップに分けると、校正のスピードと安心を両立できます。
鍵は、AIを「正しさを決める人」ではなく「見落としを拾ってくれる人」として使うこと。価格・サイズ・成分といった事実と数値の最終判断は、必ず人が握ります。AIは、人が見落としがちな入口の指摘役です。

いま何が起きているか|「書いた本人ほど、ミスに気づけない」

商品ページは、一度作って終わりではありません。季節ごとの入れ替え、価格やセット内容の変更、キャンペーン文言の差し替え……。更新のたびに文章は少しずつ増え、気づけばお店全体で表記がバラバラになっていきます。「送料無料」と「送料込み」、「お届け」と「配送」、半角の「2L」と全角の「2L」。一つひとつは小さくても、積み重なると「なんとなく雑なお店」という印象につながりかねません。

やっかいなのは、書いた本人ほど自分のミスに気づけないという点です。頭の中に「正しい文章」が浮かんでいるため、目は書いてある通りではなく“あるべき姿”を読んでしまう。これは注意力の問題ではなく、人の脳のクセです。だからこそ、本来は別の人がもう一度読む「校正」という工程が必要なのですが、ひとりや少人数の店では、その“もう一人”をなかなか用意できません。

ここでAIが助けになります。AIは思い込みなしに、文字を一つずつ律儀に見ていくのが得意です。「てにをは」のねじれ、変換ミス、全角・半角の混在、同じ意味なのに違う言葉(表記ゆれ)を、淡々と拾い出してくれます。長い文を「ここで切ると読みやすい」と提案するのも得意分野です。

ただし、過信は禁物です。AIは価格・サイズ・成分・在庫といった「事実」が正しいかどうかは判断できません。「3,980円」が本当は「4,980円」でも、文章として自然なら素通りします。さらに、生成AIは実在しない指摘をもっともらしく返すこと(ハルシネーション=AIがもっともらしい誤りを作る現象。詳しくは生成AIのハルシネーション対策)もあります。だからこそ、洗い出しはAI、事実と数値の最終確認は人という線引きが、校正の質を守る土台になります。

具体例|商品ページを3ステップで校正する

「表記ルールを決める」「AIで誤字脱字・表記ゆれを洗い出す」「人が事実と数値を最終確認する」の3ステップで商品ページを校正する流れの図
まず自店のものさし(表記ルール)を決め、次にAIで誤りの候補を洗い出し、最後に人が事実と数値を確かめて直す。この順なら、速さと安心を両立できる。

難しく考える必要はありません。次の3ステップで、1ページずつ整えていきます。

① 自店の「表記ルール(ものさし)」を先に決める

いきなりAIに「直して」と頼むと、AIが勝手に決めた基準でバラバラに直してしまい、かえって統一感が崩れます。まず、自店の表記ルールを一枚メモにすることから始めます。これは一度作れば、ずっと使い回せる資産になります。

この「ものさし」は、生成AIをEC業務に安全に使う社内ルール作りの考え方とも地続きです。ルールが一枚あるだけで、担当者が変わっても品質がぶれません。

② AIに「誤字脱字・表記ゆれ・読みにくさ」を洗い出させる

ものさしが決まったら、AIに校正を頼みます。コツは、直させるのではなく、まず「指摘させる」こと。いきなり書き換えさせると、事実まで“それらしく”改変されるおそれがあるからです。「誤字脱字・表記ゆれ・読みにくい箇所を、場所と理由つきでリストにして」と頼み、直すかどうかは人が1件ずつ判断します。

具体的な指示文は次の「コピペで使えるプロンプト」にまとめました。出てきた指摘には、的外れなものも混じります。それでかまいません。見落としを拾う網として使い、採用するかは人が選ぶ。これが安全で速いやり方です。

③ 人が「事実・数値・効果表現」を最終確認して直す

ここが、いちばん省いてはいけない工程です。AIの指摘リストを上から見て、特に次の3つは人が必ず確かめます。

この3点だけは、CVR(商品ページの買われやすさ=見た人のうち買ってくれた割合)やお店の信頼に直結します。AIに任せきりにせず、人が最後のハンコを押しましょう。

コピペで使えるプロンプト

ここまでの「1ページをAIで校正する」流れを、そのままAIに頼める形にまとめました。下の枠をまるごとコピーして、〈〉の中をあなたの店の言葉に置き換えるだけで使えます。価格・サイズなどの事実は、AIの指摘を見たあとに人が管理画面と突き合わせて確認してください。

あなたはECショップの校正担当です。
以下の「表記ルール」に従い、商品ページの文章の問題点を洗い出してください。
※この段階では文章を書き換えず、「指摘リスト」だけを作ってください。直すかどうかは人が判断します。

# 入力素材
- 校正したい文章:〈ここに商品ページの本文を貼る〉
- 表記ルール:
  - 言葉の統一:〈送料無料に統一/「お客さま」に統一 など〉
  - 数字・単位:〈半角数字に統一/価格は税込を明記 など〉
  - 変えてはいけない言葉:〈商品名・型番・ブランド名・成分名(例:○○、型番ABC-123)〉

# 出力条件
- 次の4つの観点ごとに、「元の表現/問題点/修正案」を表のように並べる:
  (1)誤字脱字・変換ミス (2)表記ゆれ・ルール違反 (3)読みにくい一文(長い・ねじれ) (4)分かりにくい専門用語
- 各指摘に、本文のどのあたりか(引用)を添える。
- 価格・サイズ・在庫などの数値は「正誤は判断できないため、人が確認」と明記する(勝手に正しい数字を推測しない)。
- 指摘がない観点は「問題なし」と書く。

# 禁止
- 「変えてはいけない言葉」を書き換える提案をすること
- 入力にない事実(価格・効果・成分・受賞歴など)を新しく付け足すこと
- 効果・効能を断定する表現や最上級表現(「必ず」「最安」「No.1」等)を、根拠なく提案すること(景表法・薬機法に触れるおそれ)

まずはこの1枚を、気になっている商品ページ1枚で試してみてください。返ってきた指摘リストのうち、「確かに」と思うものだけを採用する——その取捨選択こそ、お店の言葉を守るあなたの仕事です。

あなたへの影響

明日やること

  1. 自店の「表記ルール」を一枚メモにする。ゆれやすい言葉を3〜5組、数字・単位の書き方、変えてはいけない言葉(商品名・型番)を書き出す。
  2. いちばん気になる商品ページ1枚を選び、上の「コピペで使えるプロンプト」でAIに指摘リストを作らせる。
  3. 返ってきた指摘を上から見て、採用する/しないを1件ずつ判断する。
  4. 価格・サイズ・在庫などの数値を、管理画面や仕入れ資料と突き合わせて人が確認する。
  5. 効果・効能の言い過ぎがないかを、景表法・薬機法・特商法 表現チェック大全の観点で見直す。不安があれば公開前に専門家へ相談する。

AI校正 チェックリスト

文章を整える作業は、派手ではありません。でも、誤字ひとつないページは、お客さまに「このお店は、ちゃんとしている」という安心を静かに伝えます。全部を一度に完璧にしなくて大丈夫。今日は気になる1枚から。あなたの言葉が、より正しく、より気持ちよく届くようになる——その一歩を、AIという相棒と一緒に踏み出してみましょう。

校正を終えてきれいに整った商品ページを、安心した表情で公開しようとしているEC担当者の明るい情景

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あなたのお店の商品ページ、表記はそろっていますか。扱っている商材や、気になっているページのジャンルを教えていただければ、無料診断で「まず整えるべき表記のポイント」を一緒に見てお返しします。

参考(公式・一次情報)