パソコンでGoogle広告の管理画面を見ながら、自分の広告と競合の広告の「見え方の大きさの違い」に気づいて設定を見直そうとしているEC担当者の情景

検索広告のアセット(広告表示オプション)活用|クリック率を上げる

「見出しも説明文もがんばって整えた。審査も通った。なのに、検索結果に並ぶと、なぜか競合の広告のほうが大きく・情報たっぷりに見える」。同じ1枠なのに、向こうはお店の中のいろいろなページへのリンクや、送料・特典まで見えている——。そんな「見劣り」を感じたこと、ありませんか。

その差の多くは、アセット(広告表示オプション=広告文の下や周りに、サイトリンクや追加の説明、価格などを足せる無料の機能)を使っているかどうかで生まれます。アセットを足すと、広告の見える面積が広がり、お客さんに届く情報が増えて、クリックされやすくなります。しかも追加の費用はかからず、広告の掲載順位を決める評価にも良い影響が期待できます。今日は、埋めるだけで止まっていた広告を「大きく・親切に見える」形に育てる手順を、一緒に組み立てていきましょう。

結論:検索広告のアセット(広告表示オプション)で成果を出すコツは3つです。①まず主要な4種——サイトリンク(別ページへの追加リンク)・コールアウト(送料無料などの短い訴求)・構造化スニペット(取扱いカテゴリの列挙)・画像——を入れて広告の面積を広げる、②それぞれ「別の情報」を入れて重複させない(見出しと同じ言葉を繰り返さない)、③入れて終わりにせず、成果の出た素材を見て入れ替える。アセットは追加費用ゼロで、クリック率(CTR=広告が表示された回数のうちクリックされた割合)と掲載順位の両方に効く「先にやるべき無料施策」です。まずはサイトリンクを4本、コールアウトを4本用意するところから始めます。

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いま何が起きているか|広告は「1行」ではなく「面」で見られている

かつての検索広告は、見出しと説明文の数行だけで表示されていました。いまは違います。広告の下に、別ページへのリンク(サイトリンク)や、短い訴求文(コールアウト)、取扱いジャンルの一覧(構造化スニペット)、商品画像や価格まで足せるようになっています。これがアセットです(以前は「広告表示オプション」と呼ばれていました)。

アセットを足すと、広告が縦にも横にも広がり、検索結果の中で占める面積が大きくなります。人は大きく・情報が多いものに自然と目が行きますから、これだけでクリック率(CTR)が上がりやすくなります。しかも、アセットの表示自体に追加料金はかかりません(クリックされたぶんだけ、通常どおり課金されます)。

さらに見逃せないのが、掲載順位への影響です。Googleは広告の掲載順位を「入札額 × 広告の品質」に加えて、アセットがどれだけ充実しているかも見て決めています(これを広告ランクと呼びます)。つまりアセットは、同じ入札額でも、より上に・より大きく出るための無料の底上げになるということ。逆に、アセットを何も入れていない広告は、この伸びしろをまるごと取りこぼしています。

大事なのは、「広告文を1行ずつ磨く」前に、まず面積を広げてしまうという順番です。見出しの推敲は時間がかかりますが、アセットは素材を足すだけ。先に手をつけて損のない施策です。

具体例|EC店がまず入れたいアセット4種

検索広告の本体の下に、サイトリンク・追加説明・価格・画像のアセットが足されて広告の面積が広がっていく様子を示した図
アセットは広告の「見える面積」を広げる。それぞれ別の情報を足すほど、お客さんに届く手がかりが増える。

アセットには十数種類ありますが、全部を一度に入れる必要はありません。EC店がまず入れたいのは、次の4種です。それぞれ「別の情報」を担当させるのがコツで、見出しや説明文と同じ言葉を繰り返すと効果が薄れます。

アセット何を足すかEC店での例
サイトリンク広告の下に並ぶ、別ページへの追加リンク(4本前後)「送料・お届け日」「レビューを見る」「季節のセール」「返品について」
コールアウトクリックできない短い訴求文。安心材料を並べる「〇〇円以上で送料無料(例)」「最短翌日お届け(例)」「返品OK」
構造化スニペット「見出し(種類)+項目の一覧」で取扱いを示す種類:レディース/メンズ/キッズ/小物
画像アセット広告の横に出る商品画像主力商品の、明るく分かりやすい1枚

イメージしやすいように、それぞれの役割を分けて考えます。サイトリンクは「入り口を増やす」係。1つの広告から、送料の説明・レビュー・セールなど、お客さんが次に見たいページへ直接飛べるようにします。コールアウトは「安心を並べる」係。送料無料・翌日お届け・返品OKなど、買う前に気になる点を短く見せます。構造化スニペットは「品ぞろえを見せる」係。どんな種類を扱っているかが一目で伝わります。画像アセットは「商品を見せる」係。文字だけの広告に実物の写真が加わると、ぐっと目を引きます。

サイトリンクは「行き先の違うページ」を4本

サイトリンクでいちばんもったいないのが、似たページばかりを並べてしまうこと。「商品一覧」「全商品」「商品ページ」…では、お客さんにとって選ぶ意味がありません。送料・レビュー・セール・返品のように、役割の違うページを4本そろえると、それぞれ別の不安や興味に応えられます。リンク先は、そのページの中身とズレないように。「送料・お届け日」というリンクなら、送料の説明が最初に目に入るページへつなぎます。どの導線でカゴ落ち(買う直前で離脱されること)を防ぐかは商品ページ内に送料・お届け日を見せて不安を消すもあわせて整えると効果的です。

コールアウトと構造化スニペットは「説明文と重複させない」

コールアウトや構造化スニペットは、説明文で言い切れなかった安心材料や品ぞろえの補足に使います。説明文に「送料無料」と書いたなら、コールアウトでは「翌日お届け」「返品OK」など別の切り口を足す。同じことを二度言うと、広告全体の情報量が増えません。アセットどうし・見出しとも、なるべく違う情報を担当させる——これが面積を「意味のある情報」で埋めるコツです。見出しの切り口の散らし方はレスポンシブ検索広告の作り方も参考になります。

数字で見る|面積が広がるとクリックはどれだけ増えるか

アセットの効果は「面積が広がる→クリック率が上がる」という形で表れます。考え方を数字でつかんでおきましょう。

たとえば、広告が月に10,000回表示され、いまのクリック率(CTR)が3%だとします。クリックは 10,000 × 3% = 300回。ここでアセットを足して広告の面積が広がり、CTRが3%→4%に上がると、クリックは 400回。同じ表示回数のまま、クリックが100回増える計算です。

そのうち購入率(CVR=訪れた人のうち買ってくれた割合)が2%、粗利が1件2,000円なら、増えた100クリックは 100 × 2% × 2,000円 = 月4,000円の粗利の上乗せ(例)。アセットの設定に追加費用はかからないので、これは素材を足すだけで得られる差です。さらに広告ランクが上がって掲載順位が上向けば、表示される機会そのものが増え、伸びしろはもう少し大きくなります。

※ 数字はすべて説明用の一例です。効果を保証するものではありません。必ず自店の表示回数・CTR・CVR・粗利で計算し直してください(EC利益計算ツールが使えます)。クリックが増えるほど広告費も増えるため、採算はCPA・CPOを下げる広告改善の手順とあわせて必ず確認しましょう。

あなたへの影響

明日やること

  1. いまの広告にアセットが何も入っていないかを管理画面で確認する(「アセット」の項目を開く)。
  2. サイトリンクを4本用意する。「送料・お届け日」「レビュー」「セール」「返品」など、行き先の違うページを選ぶ。
  3. コールアウトを4本用意する。送料・納期・返品・実績など、説明文と重複しない安心材料を短く。数字を書くときは「例」と明記し、実績を装わない。
  4. 構造化スニペットで取扱いの種類を並べ、画像アセットに主力商品の明るい1枚を登録する。
  5. 2〜4週間ほど回してから、広告レポートの読み方クリックの多かったアセットを確認し、反応の薄いものを別の切り口に入れ替える。

検索広告アセット チェックリスト

情報の充実した広告からお客さんが自然に集まり、手応えを感じて前向きな表情になったEC担当者の明るい情景
アセットは「広告の空欄」ではなく「お客さんへの案内板」。1つ足すたび、届く情報と入り口が増える。

検索広告の枠は、見出しと説明文だけで閉じてしまう「空欄」ではなく、お客さんに行き先と安心を手渡す案内板でもあります。完璧な一文をひねり出す前に、まずはアセットを1つ足して、広告を少し大きく・少し親切にしてみる。追加費用はゼロで、クリックの一つ、注文の一つにつながっていきます。まずは明日、サイトリンクを4本、書き足すところから始めてみませんか。

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参考(公式・一次情報)