売ろうとしている商品を前に、これは許可がいるのだろうかと少し不安な表情で考え込むネットショップ運営者

ネット販売に許可・届出が必要な商品一覧|古物・食品・化粧品の注意点

「家にある使わないブランド品、ネットで売ってみようかな」「自分で作ったお菓子を販売したい」——そう思ったとき、ふと不安がよぎったことはありませんか。「これって、勝手に売って大丈夫なんだろうか」と。

実は、ネットで何かを売るとき、商品によっては国や自治体の許可・届出が必要になることがあります。知らずに売ってしまうと、あとで「無許可営業」として法律に触れてしまうこともあります。でも、身構えなくて大丈夫です。「どんな商品に、どんな手続きが要るのか」の代表例さえつかんでおけば、自分の扱う商品が当てはまるかどうかを落ち着いて確かめられます。この記事では、つまずきやすい商品を種類ごとに、一緒に順番に見ていきましょう。

結論:まず「自分が売る商品が、許可・届出のいるジャンルに当てはまるか」を確認するのが第一歩です。とくに注意したいのは、①中古品(古物商許可)②食品(営業許可・届出)③お酒(酒類の販売業免許)④化粧品・医薬品類(許可や表現の規制)の4つ。当てはまりそうなら、自己判断で売り始めず、管轄の役所や専門家に確認してから出品するのが安全です。

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いま何が起きているか:誰でも売れる時代だからこそ「許可」の見落としが増えている

ネットショップやフリマアプリの普及で、個人でも思い立った日に商品を出品できる時代になりました。これはとても良いことです。一方で、「お店を開く」という意識が薄いまま売り始めてしまい、必要な許可・届出を見落とすケースが増えています。

ここで大事な考え方が1つあります。それは、「反復・継続して売って利益を得るなら、それは"事業(商売)"にあたる」ということです。自宅の不用品を1回だけ手放すのと、仕入れた商品を繰り返し売るのとでは、扱いが変わります。繰り返し・商売として売るなら、実店舗を開くのと同じルールがネットにも当てはまる、と考えておくと見落としが減ります。

そして許可・届出には、大きく分けて次のような目的があります。

つまり「面倒な手続き」ではなく、「お客さんと自分を守るための仕組み」です。ここを押さえると、確認作業も前向きに進められます。

具体例:ジャンル別「許可・届出が必要になりやすい商品」

ここからは、ネット販売でとくにつまずきやすい代表例を、ジャンルごとに見ていきます。あくまで代表例であり、これですべてではありません。自分の商品が近いと感じたら、必ず後述の公式情報や専門家で最終確認してください。

中古品・食品・お酒・化粧品の4ジャンルごとに必要な手続きを整理した一覧図
代表的な4ジャンル。自分の商品が近いものに当てはまらないか、まず当たりをつける。

① 中古品・リユース品 → 古物商許可

いちばん相談が多いのがこれです。中古品を「仕入れて売る」場合、原則として古物商許可(中古品を業として売買するための許可)が必要です。ブランド品、古着、中古カメラ、ゲーム、本、家電などが対象になります。

ここで迷いやすいのが、「自分の私物を売るだけでも必要なの?」という点です。自分が使っていた不用品を売るだけなら、基本的に許可は不要とされています。一方で、転売目的で仕入れた中古品を繰り返し売るなら許可が必要になります。古物商許可は、営業所を管轄する警察署(生活安全課など)に申請します。制度の考え方は、古物営業法を所管する警察庁の公式サイトでも案内されています。判断に迷うケースの詳しい線引きは、中古品・リユースECの始め方と古物商許可でくわしく整理しています。

② 食品・手作りのお菓子 → 営業許可または届出

食品を作って売る場合は、食品衛生法にもとづく営業許可、または営業届出が必要になることが多いです。手作りのお菓子・パン・ジャム・惣菜などを販売するときは、自宅のキッチンとは別に、基準を満たした設備が求められることもあります。

「自分で作ったものを少しだけ」でも、繰り返し販売するなら対象になり得ます。何が許可制で何が届出制か、どんな設備が要るかは商品や自治体によって変わるため、最寄りの保健所に相談するのが確実です。制度全体は、食品衛生を所管する厚生労働省の公式サイトでも案内されています。あわせて、成分や効果をうたう表現には景品表示法などの注意も必要です(後述)。

③ お酒 → 通信販売酒類小売業免許

お酒(酒類)をネットで売るには、酒類の販売業免許が必要です。とくに、複数の都道府県のお客さんにネットで販売する場合は「通信販売酒類小売業免許」という区分が関わってきます。「もらいものの高級酒を1本売るだけ」といった単発の話とは別に、商売としてお酒を扱うなら免許は必須と考えてください。

免許は税務署(国税)が扱います。要件や申請の考え方は、酒税を所管する国税庁の公式サイトで確認できます。無免許での販売は罰則の対象になり得るので、ここは特に慎重に進めましょう。

④ 化粧品・医薬品・健康食品 → 製造販売の許可や「表現」の規制

化粧品や医薬品にあたるものは、製造・輸入して売る立場になると、薬機法(医薬品医療機器等法)にもとづく許可が必要になる場合があります。海外から化粧品を輸入して自分のブランドとして売る、といったケースはとくに注意が必要です。仕入れて売るだけの場合でも、「シミが消える」「必ず痩せる」といった効果・効能をうたう表現は、化粧品・健康食品では厳しく制限されています。

つまり、化粧品・健康食品まわりは「売る資格」と「言葉の使い方」の両面に注意が要る、ということです。制度は厚生労働省の公式サイト、NG表現の考え方は景表法・薬機法・特商法 表現チェック大全がそのまま参考になります。

そのほか注意したい商品

上記以外にも、米(米穀類の販売届出)、ペット・生き物、医療機器や一部の健康器具、農薬、リサイクル家電など、個別のルールがある商品は少なくありません。「これは特別なものかも」と少しでも引っかかったら、いったん立ち止まって調べる。この一手間が、後々の大きなトラブルを防ぎます。

許可とは別に、ほぼ全員に必要な「特商法の表記」

商品の種類にかかわらず、ネットで継続して販売するなら、特定商取引法(特商法)にもとづく表記(事業者名・連絡先・返品条件などの表示)がほぼ必須です。これは「許可」ではありませんが、消費者に安心して買ってもらうための必須ルールです。書き方は特定商取引法の表記の作り方にまとめています。

あなたへの影響

明日やること

  1. これから売る(売っている)商品を書き出し、「中古品・食品・お酒・化粧品・その他の特別なもの」に当てはまらないかを1つずつ確認する。
  2. 当てはまりそうなら、「1回の不用品か/繰り返しの商売か」を整理する(古物商まわりの判断材料になる)。
  3. 食品なら最寄りの保健所、お酒なら税務署、中古品なら管轄の警察署、と相談先の当たりをつける。
  4. 化粧品・健康食品を扱うなら、商品ページの効果・効能の表現に行きすぎがないか見直す。
  5. 種類を問わず、特商法の表記が自分のショップに入っているかを確認する。

売る前の「これ、大丈夫かな」という小さな不安は、実はとても大切な感覚です。その一歩立ち止まる力が、あなたのお店を長く続けさせてくれます。まずは今扱っている商品を、1つずつ棚卸ししてみましょう。

必要な手続きを確認し終えて、安心した表情で自分のネットショップの出品作業に取りかかる運営者

チェックリスト

関連テンプレート・無料ツール

あなたが売ろうとしている商品、許可や届出が必要かどうか迷っていませんか。商品ジャンルと売り方(不用品か仕入れかなど)を教えていただければ、無料診断で「まず確認すべき手続きの当たり」を一緒に整理してお返しします。

参考(公式・一次情報)

※この記事は制度の全体像をやさしく整理したものです。個別の許認可の要否や手続きは、扱う商品・地域・売り方によって異なります。実際の判断は、管轄の役所(保健所・警察署・税務署など)や専門家に必ずご確認ください。