
ネットショップの確定申告の基本|開業届・青色申告・経費のはじめ方
「ネットショップ、少しずつ売れてきた。……で、確定申告ってしなきゃいけないの?」
副業でも本業でも、売上が立ちはじめた頃に必ず一度ぶつかるのが、この税金の壁です。むずかしそう、面倒くさそう、間違えたら怖い——そう感じて、つい年明けまで見て見ぬふりをしてしまう。実は、これはとても多くの個人店主が通る道です。
でも大丈夫。全部を完璧に理解する必要はありません。今日は「そもそも申告がいるのか」「何を準備すればいいのか」を、はじめての人にもわかる言葉で一緒に整理していきましょう。読み終えた頃には、「あ、これならできそう」と思えるはずです。
結論:ネットショップで一定以上の利益が出たら、1年分の売上と経費を集計して確定申告(1年間のもうけと税金を国に申告する手続き)をする必要があります。
やることは大きく3つ。①開業届を出す ②売上と経費を1年分きちんと記録する ③期限内に申告する。この土台を最初に作っておけば、毎年の申告はぐっとラクになります。数字が苦手でも、今日から領収書を1か所に集めるだけで、来年の自分がとても助かります。
※ 本記事は2026年時点の一般的な解説です。申告の要否・税額・控除の条件は、事業形態・所得額・他の収入・お住まいの状況・法改正で変わります。具体的な判断は国税庁の公式サイトで最新情報を確認し、必要に応じて税務署の相談窓口や税理士に相談してください。
いま何が起きているか:どんな人が申告するの?
まず、いちばん気になる「自分は申告がいるのか」から。ざっくりの目安は次のとおりです(あくまで一般的な目安で、他の収入の有無などで変わります)。
- 本業(専業)でネットショップをしている:利益(もうけ)が出ていれば、基本的に確定申告が必要です。
- 会社員をしながら副業でしている:本業以外の所得(副業のもうけ)が年20万円を超えると、確定申告が必要になるのが一般的な目安です。
- 主婦・学生などで扶養に入っている:もうけの額によっては、申告や扶養の見直しが必要になることがあります。
ここでいう「もうけ」は、売上そのものではありません。所得(売上から経費を引いた、手元に残る利益)のことです。たとえば1年で200万円売れても、仕入れや送料などの経費が150万円かかっていれば、もうけは50万円。この「もうけ」に対して税金がかかる、というのが基本の考え方です。
売上=もうけ、ではない。ここを取り違えると「思ったより税金が高い/安い」と慌てることになるので、最初に押さえておきましょう。
具体例:はじめての人がやる3ステップ

ステップ1:開業届と「青色申告承認申請書」を出す
事業として始めたら、税務署に開業届(個人事業を始めたことを知らせる書類)を出します。提出は基本的に無料で、そんなに難しくありません。
このとき一緒に出しておきたいのが「青色申告承認申請書」です。確定申告には、大きく分けて2つのやり方があります。
- 白色申告:手続きがシンプル。帳簿づけも簡易でよいが、税金の優遇(控除)は小さい。
- 青色申告:事前の申請ときちんとした帳簿づけが必要だが、最大で所得から一定額を差し引ける控除(青色申告特別控除。もうけから引いて税金を軽くできる仕組み)などのメリットが大きい。
これから利益を伸ばしていくつもりなら、早めに青色申告を選んでおくのがおすすめです。ただし申請には期限(原則、事業開始から2か月以内など)があるので、開業届と一緒に出してしまうのがラクです。
ステップ2:売上と経費を1年分、記録する
確定申告のヤマ場は、実は申告の当日ではなく、日々の記録です。ここをためこむと、年明けに領収書の山と格闘することになります。
- 売上:モール(楽天・Amazonなど)や自社カートの管理画面から、月ごとの売上をダウンロードして残す。
- 経費(事業のためにかかったお金):次のようなものが対象になり得ます。
- 商品の仕入れ代・材料費
- 送料・梱包資材代
- モールやカートの利用料・決済手数料
- 広告費
- 撮影機材・パソコンなどの備品
- 自宅で作業している場合の家賃・電気代の一部(家事按分:事業で使った割合分だけを経費にする考え方)
領収書やレシートは、「事業のためか」を説明できるものだけを、月ごとに1か所へ。あわせて会計ソフトや表計算に記録していくと、申告時にほぼ完成します。
記録づけのコツ(テンプレ)
・専用の銀行口座とクレジットカードを1つ用意し、事業のお金はそこに通す
・レシートは「月ごとの封筒」か「スマホ撮影+クラウド」に集める
・月末に15分、その月の売上と経費を会計ソフト/表計算に入力する
・「これは経費?」と迷ったものはメモを残し、あとで確認する
ステップ3:期限内に申告する
確定申告は、原則として毎年2月中旬〜3月中旬が提出期間で、対象は前年1年分(1月〜12月)です。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを使えば、案内に沿って数字を入れるだけで書類が作れます。e-Tax(オンライン申告)を使えば、自宅から提出まで完結します。
はじめは不安でも、ステップ2の記録さえできていれば、申告作業そのものは半日〜1日で終わることも多いです。
あなたへの影響
- 開業届と青色申告を早めに整えておくと、利益が伸びたときに払う税金を、合法的に軽くできる余地が生まれる。
- 売上と経費を日々記録する習慣は、税金のためだけでなく、「この商品は本当にもうかっているか」を数字で判断できることにつながる(利益率の把握は経営そのもの)。
- 申告を後回しにして期限に遅れると、本来払わなくてよかった加算税・延滞税がかかることがある。早い準備は、いちばん確実な節約になる。
明日やること
- 自分のケース(専業/副業20万円超など)で、今年の申告が必要になりそうか、国税庁の情報でざっくり確認する。
- まだなら、開業届と青色申告承認申請書の提出を検討する(期限に注意)。
- 事業用の口座・カードを1つ決める。これから事業の入出金はそこに寄せる。
- レシート・領収書を集める場所(封筒 or スマホのクラウド)を今日1つ作り、1枚目を入れる。
- 会計ソフトを1つ選び、直近1か月分の売上と経費を試しに入力してみる。
まずは「集める場所を作る」だけで十分です。完璧じゃなくていいので、記録の入れ物を1つ用意しましょう。
ネットショップの確定申告 準備チェックリスト
- 自分が申告の対象になりそうか、目安を確認した(専業/副業20万円超など)
- 開業届を出した(または出す予定を決めた)
- 青色申告にするか白色にするか方針を決めた(青色は期限内の申請が必要)
- 事業用の銀行口座・クレジットカードを分けた
- 売上を管理画面から月ごとに保存する場所を決めた
- 領収書・レシートを月ごとに集める仕組みを作った
- 家事按分(家賃・光熱費の一部)の考え方をメモした
- 会計ソフトまたは表計算で記録を始めた
- 申告期間(原則2月中旬〜3月中旬)をカレンダーに入れた
- 迷う項目は税務署の無料相談や税理士に聞く先を決めた
税金の話は、身構えると一気に難しく感じます。でも本質は、「1年分のもうけを正直に集計して報告する」だけ。今日、領収書を入れる封筒をひとつ用意することが、来年3月の自分をいちばん助けてくれます。数字が苦手でも、一歩ずつなら必ず整えられます。

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