
特定商取引法の表記の作り方|ネットショップの必須項目と書き方
「特定商取引法に基づく表記」。 ショップを開いたとき、テンプレートに項目だけあって中身が空のまま、なんとなく後回しにしている——そんな人は、実はとても多いです。
でも、このページは「とりあえず置いておく義務の1枚」ではありません。お客さんが「ここ、ちゃんとした店かな」と最後に確かめる場所であり、抜けや空欄があると、買う直前の不安につながります。今日は、何を書けばいいのか、どう書けば安心して買ってもらえるのかを、テンプレート付きで一緒に整えていきましょう。
結論:特定商取引法に基づく表記は、「誰が・いくらで・どう届けて・困ったらどこに連絡するか」をお客さんに正直に開示するページです。
事業者名・連絡先・販売価格・送料・支払い方法・引渡し時期・返品(返品特約)——この必須項目を、空欄なく具体的に埋める。一度作れば基本は使い回せます。まずは抜けをなくすことから始めましょう。
いま何が起きているか
ネット通販は、お店と相対して話せません。だからこそ法律は、「お客さんが取引前に知っておくべき情報を、事業者がきちんと表示すること」を求めています。それが特定商取引法(通信販売などのルールを定めた法律。以下「特商法」)に基づく表記です。
ところが現場では、開業ツールの初期テンプレに項目名だけ残り、価格や返品の条件、連絡先が空欄、というケースが目立ちます。お客さんからすると、商品は気に入ったのに、最後の「会社情報」を見たら中身がスカスカ——これは「本当に届くのかな」「何かあったら連絡できるのかな」という不安に直結します。
さらに、返品の可否や条件(返品特約)をこのページや申込画面に分かりやすく書いていないと、お店側がかえって不利になることがあります。通信販売にはクーリングオフ制度はありませんが、返品特約の表示がない場合、商品を受け取った日を含めて8日以内は、お客さんが送料を負担して返品(契約の解除)できるとされています。つまり「書いていない」状態は、トラブルの火種にもなり得るのです。
※ 本記事は2026年時点の一般的な解説です。必須項目や表示方法は事業形態・取扱商品・法改正で変わります。判断に迷う場合は消費者庁の特定商取引法ガイドなど公式情報で最新を確認し、必要に応じて専門家(弁護士・行政書士など)に相談してください。
具体例:表記に入れる主な必須項目とテンプレ

身構えなくて大丈夫です。次の項目を、お客さんが読んで迷わない言葉で、空欄なく埋めていきます(取扱商品や業態で増減します。最終的な要否は公式情報・専門家で確認してください)。
- 事業者の名称・運営責任者:屋号だけでなく、販売事業者の氏名または名称、運営統括責任者を書く。法人なら登記上の名称。
- 所在地・連絡先:住所、電話番号、メールアドレス。「請求があれば遅滞なく開示します」と書いて省略できる場合もあるが、その場合は実際に求められたらすぐ開示できる体制が必要。
- 販売価格・追加費用:税込価格を明示。送料・手数料・梱包料など、商品代金以外にかかる費用も書く。
- 送料:金額、無料になる条件、地域別の違いなどを具体的に。
- 支払い方法・支払い時期:クレジットカード、代金引換、後払いなど。前払い/後払いの別も。
- 商品の引渡し時期:「ご注文確認後◯営業日以内に発送」など、いつ手元に届くかの見通し。
- 返品・交換(返品特約):返品できる条件・できない条件、期限、送料の負担を明記。ここが空だと前述の不利につながる。
そのまま下敷きに使えるテンプレも置いておきます(自店に合わせて必ず調整してください)。
特定商取引法に基づく表記(テンプレ)
・販売事業者:〇〇商店(運営統括責任者:山田 太郎)
・所在地:〒000-0000 〇〇県〇〇市〇〇 0-0-0
・電話番号:000-0000-0000(受付:平日10:00〜17:00)
・メール:support@example.com
・販売価格:各商品ページに税込で表示
・商品代金以外の必要料金:送料、決済手数料(代引きの場合 〇〇円)
・送料:全国一律〇〇円(〇〇円以上のご購入で無料)
・支払い方法:クレジットカード/代金引換/〇〇ペイ
・支払い時期:クレジットカードは注文時、代引きは商品受取時
・引渡し時期:ご注文確認後、〇営業日以内に発送
・返品・交換:未使用・未開封で商品到着後〇日以内にご連絡の場合に対応。お客様都合の返送料はお客様負担、不良品・誤発送は当店負担。衛生商品・食品は性質上返品不可。
ポイントは、「省略・空欄をなくし、金額や日数を具体的な数字で書く」こと。あいまいな表現を減らすほど、お客さんの不安も問い合わせの手間も減ります。
あなたへの影響
- 表記をきちんと埋めることは、広告費を増やさずに買う直前の「この店、大丈夫かな」を消し、購入の後押しになる。
- 返品特約を分かりやすく示すことは、「言った・聞いていない」のトラブルやお店側の不利を防ぐことにつながる。
- 連絡先や引渡し時期を明確にすると、問い合わせやクレームの一次対応の手間が減る。
明日やること
- 自店の「特定商取引法に基づく表記」ページを開き、空欄・初期テンプレのまま残っている項目がないかスマホで確認する。
- 上の必須項目(事業者/連絡先/価格/送料/支払い/引渡し/返品)に沿って、自店の内容を具体的な数字で埋める。
- 返品特約は、商品ページ・申込画面からもすぐたどれるようにリンクを置く。
- 不安な項目(連絡先の省略可否、取扱商品ごとの必要表示など)は、公式情報を確認し、必要なら専門家に相談する。
特定商取引法の表記 チェックリスト
- 事業者名・運営責任者が、屋号だけでなく正式に書かれている
- 所在地・電話番号・メールが書かれている(省略する場合は遅滞なく開示できる体制がある)
- 販売価格が税込で、商品代金以外の費用も明示されている
- 送料の金額・無料条件・地域差が具体的に書かれている
- 支払い方法と支払い時期が分かる
- 商品の引渡し時期(発送までの日数)が示されている
- 返品・交換の条件、期限、送料負担(返品特約)が明記されている
- 表記ページへ、フッターや申込画面からすぐたどれる
特定商取引法の表記は、お役所向けの面倒な1枚ではありません。「この店は正直に開示している」とお客さんに伝える、信頼の土台です。今日、空欄をひとつ埋めるところから始めれば、迷っていたお客さんの背中を、そっと押してあげられます。

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