
送り状システムの選び方|発行ソフトで出荷を速く正確にする5つの軸
「あと30件、送り状を打たなきゃ出荷が終わらない」
注文が増えてきたのは嬉しいこと。でも、その一件ずつの宛名を手で入力して、伝票を貼って……という作業が、気づけば毎日の発送でいちばん時間のかかる工程になっていませんか。疲れた夕方に打ち間違えて、別のお客様の伝票を貼ってしまう——そんな「誤発送」の冷やりとした経験は、EC運営をしていれば一度はあるものです。
その手作業を軽くしてくれるのが、今日お話しする送り状システム(出荷ソフト)です。受注データを取り込んで送り状をまとめて発行し、追跡番号まで自動で管理してくれる仕組みで、導入すれば出荷が「速く・正確に」なります。ただ、各運送会社やモールごとにいろいろな選択肢があり、「結局どれを選べばいいの?」と迷いがちです。この記事を読み終える頃には、自分のお店に合うシステムを選ぶための見るべきポイントが、自分の言葉で説明できるようになっています。
結論:送り状システムは、①受注データとの連携(手入力をなくせるか)→ ②対応している運送会社・モール → ③1日の出荷件数に合った処理のしやすさ → ④追跡番号の取り込みと出荷通知 → ⑤費用(初期・月額・1件あたり) の5つの軸で選びます。いちばん大事なのは①の「連携」。注文情報を手で打ち直さずに取り込めるかどうかで、速さも正確さも大きく変わります。まずは今いちばん時間を取られている手作業は何かを書き出すところから始めましょう。
いま何が起きているか|手入力は「遅い・間違う・疲れる」
送り状(=配送伝票。荷物に貼る宛名ラベルのこと)を手で作る作業は、件数が少ないうちは問題になりません。問題は、注文が増えてきたときです。
- 遅い:1件ずつ宛名・住所・品名を打つので、件数に比例して時間がかかります。50件なら1時間、100件なら2時間……と、出荷の“待ち時間”がどんどん伸びます。
- 間違う:手入力には必ずヒューマンエラー(人の手による打ち間違い・取り違え)がつきまといます。住所の番地ミスで戻ってきたり、伝票の貼り間違いで誤発送になったり。1件の誤発送は、再送料・お詫び・信頼の低下と、代償が大きいものです。
- 疲れる:単純作業の繰り返しは集中力を削ります。疲れてくる夕方ほどミスが出やすく、その不安を抱えながらの作業は、担当者の心にも負担をかけます。
送り状システムは、この3つをまとめて軽くしてくれます。やっていることはシンプルで、「注文のデータを取り込む → 送り状をまとめて印刷する → 発行した追跡番号(荷物を追いかける番号)を注文側へ返す」という流れを自動化するだけ。でも、この自動化が効くかどうかは、自分の受注の集まり方(モールか、自社サイトか、複数か)とシステムの相性で決まります。だから「人気だから」で選ぶより、軸を決めて自分の現場に当てはめるのが近道です。
運送会社は、それぞれ自社の送り状発行の仕組みを無料で用意していることが多いです。たとえばヤマト運輸(公式)、日本郵便(公式)、佐川急便(公式)などは、ビジネス向けに送り状をまとめて作れるサービスを案内しています。まずは契約している会社が何を提供しているかを公式ページで確認するのが出発点です。
具体例|送り状システムを選ぶ「5つの軸」

言葉だけだと分かりにくいので、順番に見ていきましょう。選ぶときに見るのは、次の5つの軸です。
軸① 受注データとの連携(=手入力をなくせるか)
いちばん大事な軸です。あなたの注文は、どこに集まっていますか。楽天・Amazon・Yahoo!などのモール、自社サイト(Shopify・BASEなど)、あるいはその複数——。送り状システムがその注文データを取り込めるかで、手入力がなくなるかどうかが決まります。
- CSV連携:注文をCSV(表計算で開けるデータファイル)で書き出して、システムに読み込ませる方法。多くのサービスが対応しており、手軽に始められます。
- 自動連携(API連携):API(システム同士を自動でつなぐ仕組み)で、注文を取り込みから追跡番号の返却まで自動で行う方法。件数が多いお店ほど効果が大きくなります。
複数のモール・サイトで売っているなら、それらをまとめて1画面で処理できるかも確認しましょう。店舗ごとに別々のソフトを行き来するのは、それ自体が手間とミスのもとになります。
軸② 対応している運送会社・モール
使いたい運送会社(ヤマト・日本郵便・佐川など)や、メール便・ポスト投函便(ポストに入る薄型の配送)に対応しているか。将来、別の会社も使いたくなったときに増やせるかも見ておくと安心です。契約している会社が自社で無料の発行システムを出している場合は、まずそれで足りるかを試すのも手です。
軸③ 1日の出荷件数に合った処理のしやすさ
1日10件のお店と、300件のお店では、必要な機能が違います。件数が多いなら、一覧でまとめて選んで一括発行できるか、ラベルプリンターに対応しているか、作業の画面が見やすいかが効いてきます。逆に件数が少ないうちは、高機能すぎるものよりシンプルで迷わないもののほうが続きます。「今の件数」と「半年後に増えそうな件数」の両方で考えるとちょうどよく選べます。
軸④ 追跡番号の取り込みと出荷通知
送り状を発行すると追跡番号が割り振られます。これを注文側(モール・自社サイト)へ自動で返せるかは、地味ですが大事なポイントです。手で貼り付けると件数ぶんの手間とミスが生まれます。自動で返せれば、お客様への出荷完了メール(発送しました、のお知らせ)もスムーズになり、「いつ届くの?」という問い合わせ自体が減ります。出荷通知メールの作り方は出荷通知メールで「届くまでの不安」を消すにまとめています。
軸⑤ 費用(初期・月額・1件あたり)
運送会社が提供する送り状発行システムは無料のことが多いです。いっぽう、複数モールの受注をまとめて扱う受注管理・出荷管理の有料ツールもあります。見るべきは、初期費用・月額・1件あたりの費用の3点と、それで浮く時間(人件費)のバランス。たとえば1日1時間の手入力が消えるなら、月20時間ぶんの人件費が浮く計算です。その価値と費用を見比べて決めます。
よくあるつまずきと、その直し方
・高機能なものを入れたが使いこなせない:件数に対して過剰だと、かえって操作が複雑に。→ まずは今の件数に合う無料・シンプルなものから。
・連携できず結局コピペしている:自分の受注の集まり方と合っていない。→ 軸①の「連携」を最優先で確認。
・追跡番号を手で貼り付けている:自動返却に対応していないと手間が残る。→ 軸④を導入前にチェック。
・1社だけ見て決めてしまう:将来、別の運送会社を足せず詰まる。→ 軸②で「増やせるか」も確認。
受注から出荷までの全体の流れをそろえたいときは出荷オペレーション標準化ガイド|誤出荷ゼロへを、配送会社そのものの選び方は配送方法・配送業者の選び方もあわせてどうぞ。
あなたへの影響
- 送り状の手入力がなくなると、出荷にかかる時間が大きく縮み、同じ人数でもっと多くの注文をさばけるようになります。繁忙期の「出荷が追いつかない」不安が和らぎます。
- 打ち間違い・貼り間違いが減って、誤発送や宛先不明の戻りが起きにくくなります。1件の誤発送で失う信頼と再送料を考えれば、正確さは利益そのものです。
- 追跡番号の自動返却と出荷通知で、「いつ届くの?」という問い合わせが減り、お客様の安心も増えます。担当者の心の負担も軽くなり、他の改善に時間を回せます。
明日やること
- いまの発送でいちばん時間を取られている手作業を1つ書き出す(例:宛名入力/追跡番号の貼り付け)。
- 自分の注文がどこに集まっているかを整理する(モール名・自社サイト・件数/日)。
- 契約している運送会社の公式の送り状発行システムを調べ、無料で使えるか・自分の受注と連携できるかを確認する。
- この記事の5つの軸を紙に書き、気になるシステムを2〜3個、軸ごとに○×で並べて比べる。
- いちばん効きそうな軸①(連携)から小さく試す。まず1モールぶんだけ連携してみて、手入力がどれだけ減るか体感する。
送り状システムを選ぶ チェックリスト
- 今いちばん時間を取られている発送の手作業を把握している
- 自分の注文がどこに集まっているか(モール・自社・件数)を整理した
- 受注データと連携できるか(CSV/自動連携)を確認した
- 複数モール・サイトをまとめて1画面で処理できるか見た
- 使いたい運送会社・メール便に対応しているか確認した
- 将来、別の運送会社を足せるかを確認した
- 1日の出荷件数(今と半年後)に合った処理のしやすさか見た
- 追跡番号を注文側へ自動で返せるか確認した
- 出荷通知メールにつなげられるか確認した
- 初期・月額・1件あたりの費用と、浮く時間を見比べた
- まず1モールぶんだけ小さく試す段取りを決めた

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あなたのお店では、1日の送り状発行にどれくらい時間がかかっていますか。扱っているモール・自社サイトと1日の出荷件数を教えていただければ、無料診断で「どの軸から手をつけると手作業が減るか」を一緒に整理してお返しします。
参考(公式・一次情報)
- ヤマト運輸(公式) — ビジネス向けの送り状発行サービスの案内
- 日本郵便(公式) — 送り状・ラベル発行や各種配送サービスの案内
- 日本郵便 ゆうパック(公式) — サイズ区分と送り状の考え方
- 佐川急便(公式) — 送り状発行・出荷サービスの案内