大小さまざまな荷物を前に、どの配送方法で送ろうか考えているEC担当者の様子

EC配送方法・配送業者の選び方|料金とサイズで損しない

「アクセサリー1個も、まとめ買いの箱も、全部いつもの宅配便で送っている」。 気づけば契約したときのまま、送り方を見直していない——そんなお店は少なくありません。でも、薄いピアス1個を大きな箱に入れて宅配便で送れば、その1件だけで数百円の送料を余計に払っています。1日20件なら、月に何万円も「送り方を変えるだけで浮いたはずのお金」が消えていることになります。

送料は、商品の値段には出てこないのに、確実に利益を削る「見えないコスト」です。しかも配送は、遅い・追跡できない・壊れて届くといったことがあると、そのままレビューや再購入に響きます。今日は、宅配便・メール便・ポスト投函便という配送方法を、商品のサイズと料金で使い分ける選び方を、一緒に整理していきましょう。難しい契約の話の前に、「どの荷物をどれで送るか」を決めるだけで、多くのお店は今日から送料を下げられます。

結論:配送方法は「1種類で全部」ではなく、荷物の厚み・大きさで3つに振り分けるのが基本です。①ポスト投函便(薄くて小さいもの=アクセサリー・コスメ・雑貨小物)、②メール便・宅配便の小サイズ(衣類1〜2点など中くらい)、③宅配便(箱もの・まとめ買い・壊れ物・冷蔵冷凍)。
選ぶ順番は、(1) 自店の商品を厚み・サイズで分ける → (2) それぞれに一番安くて条件に合う配送方法を割り当てる → (3) 契約は出荷数が増えてから交渉する。まずは「一番売れている商品を、今より一つ小さい送り方で送れないか」を見直すだけで、送料は下がります。

いま何が起きているか

送料で損をしているお店には、はっきりした共通点があります。「送り方が1種類しかない」ことです。

多くのお店は、開業時になんとなく選んだ宅配便を、そのまま全注文に使い続けています。宅配便は箱ものや重い商品には最適ですが、料金は「荷物のサイズ(縦・横・高さの合計)と重さ、届け先までの距離」で決まるのが一般的です。つまり、中身が薄いピアス1個でも、大きめの箱に入れて送れば「箱のサイズ分」の送料がかかってしまう。中身ではなく「外側の大きさ」で課金されるところに、損の入口があります。

一方で、薄くて軽いものには、ポスト投函便という選択肢があります。これは各運送会社が出している「厚さ数センチ以内・規定サイズ内なら、対面ではなくポストへ投函して届ける」タイプのサービスの総称です(宅配便より安く、多くは追跡番号も付きます)。アクセサリー・コスメ・スマホアクセサリー・薄い衣類・本などは、この投函便に載せられることが多く、宅配便との差額がそのまま利益になります。

ここで、送料をお客さんからもらっているお店ほど油断しがちです。「送料は着払い、または送料無料ラインで回収しているから、自店の利益には関係ない」と思っていても、送料無料ライン(この金額以上買えば送料をお店が負担する、という設定)を超えた注文では、送料は丸ごとお店の負担です。送料を下げることは、送料無料の注文が多いお店ほど、粗利(売上から原価や送料などを引いた、手元に残る利益)に直結します。

配送方法は「厚み・サイズ」で3つに振り分ける

荷物を薄いもの・中くらい・大きいものの3段階に分け、それぞれポスト投函便・小サイズ便・宅配便に振り分ける図
中身ではなく「荷物の厚み・大きさ」で送り方を3つに振り分けると、送料の無駄が減る。

配送業者を「どこの会社にするか」で悩む前に、まず自店の商品を荷物の大きさで3グループに分けるところから始めます。会社選びは、その次です。

グループ目安のサイズ向いている配送方法特徴・注意点
① 薄い・小さい厚さ3cm程度まで・ポストに入るポスト投函便(各社の小型便)一番安い。追跡が付くものが多い。対面で渡さない・日時指定は不可が基本。壊れ物・高額品には不向き
② 中くらい厚みのある衣類1〜2点・靴の箱など宅配便の小サイズ / メール便手頃で追跡・補償が付く。日時指定できる会社が多い
③ 大きい・重い・要注意箱もの・まとめ買い・冷蔵冷凍・割れ物宅配便(通常サイズ〜)サイズと距離で料金が上がる。補償・温度帯・時間指定に強い

振り分けるときの判断ポイントは、料金だけではありません。次の4つを一緒に見ます。

大事なのは、「一番安い方法」ではなく「その商品に合う中で一番安い方法」を選ぶことです。壊れ物を補償なしの投函便で送って破損すれば、送料で浮いた分より弁償と信用の損失のほうが大きくなります。安さは、条件を満たしたうえでの判断材料と考えてください。

具体例:全部宅配便だったお店が、送料を月2万円下げるまで

アクセサリーと小物を扱うお店で、1日20件の注文をすべて宅配便で送っていたとします。中身は薄いピアスやリングが中心。ここを振り分けると、こう変わります。

もちろん送料をお客さんからもらっている分もあるので、まるごと利益が増えるわけではありません。それでも、送料無料ラインを超えた注文や、送料込み価格で売っている商品では、この差額はそのまま粗利になります。ここで大切なのは、いきなり全商品を完璧に振り分けようとしないこと。一番売れている商品1つを、今より一段小さい送り方に移せないか——そこだけ見直すだけで、効果の大部分が出ます。

なお、配送方法を変えるときは、商品ページと注文完了メールの送料・お届け日数の表記も必ず合わせて更新してください。ポスト投函便は日時指定ができない・ポストに入らないサイズは持ち帰りになる、といった条件を書いておかないと、「指定した時間に来なかった」という問い合わせやクレームにつながります。安くするだけでなく、条件をきちんと伝えるところまでがワンセットです。

あなたへの影響

明日やること

  1. 直近1か月の注文を、薄い・中くらい・大きいの3グループにざっくり分け、それぞれ何件あるかを数える。
  2. 一番件数の多いグループについて、今使っている送り方より安い方法がないか(特に薄いグループにポスト投函便が使えないか)を運送会社の料金表で確認する。
  3. 変更する送り方について、追跡・補償・日時指定の可否を書き出し、自店の商品(壊れ物・高額品・ギフト)に合うかを確認する。
  4. 送り方を変える商品は、商品ページと注文完了メールの送料・お届け日数・受け取り条件の表記を合わせて直す。
  5. 出荷数がまとまってきたら、運送会社に数量に応じた料金を相談する予定を立てる(まずは1社でも可)。

配送方法の選び方 チェックリスト

関連テンプレ:送り方を決めたら「梱包」まで一続きで見直す

配送方法を決めたら、次のひと押しは梱包です。せっかくポスト投函便に載せられるサイズの商品でも、必要以上に大きい箱や過剰な緩衝材で厚みが出てしまうと、投函便の規定を超えて宅配便に逆戻り——ということが起きます。「どの送り方で送るか」と「どう包むか」は、セットで初めて送料が下がります。

まずは、一番売れている商品の梱包を実際に測ってみてください。あと数ミリ薄くできれば一段安い送り方に載る、というケースは珍しくありません。資材のサイズ・同梱のしかたまで含めた具体的な削り方は送料・梱包コストの最適化で、出荷スピードを上げる工夫は出荷リードタイム短縮と「あす着」表示の効果で扱っています。出荷の量が増えて自社だけでは回らなくなってきたら、物流代行(3PL)の選び方と切替の注意点も検討のタイミングです。

送り方の見直しは、派手さはないけれど、やった分だけ確実に利益が残る数少ない改善です。まずは一番売れている商品の送り方を、今日ひとつ見直してみませんか。

荷物ごとに送り方が整理され、すっきりした表情で出荷作業を進めているEC担当者の明るい様子

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