夜のデスクで、自分の商品を「どんな言葉で探されているんだろう」と考えながら検索窓を見つめるEC担当者の情景

ECのキーワード調査|お客さんが探す言葉と検索需要の見つけ方

「良いものを作った」「ページも丁寧に書いた」。それなのに、アクセスがちっとも増えない。夜、管理画面の数字を眺めながら、そんなため息をついたことはありませんか。原因は、商品の魅力ではないかもしれません。お客さんが実際に検索窓へ打ち込んでいる言葉と、あなたのページに書かれている言葉が、少しだけすれ違っているだけ——ということが、本当によくあるのです。

たとえば、あなたが「高吸水マイクロファイバークロス」という正式名称でページを作っていても、お客さんは「車 拭き取り タオル 水滴 残らない」と打ち込んでいるかもしれない。同じ商品を探しているのに、言葉が違えば出会えません。今日は、この「すれ違い」をなくすための第一歩——キーワード調査(お客さんが検索する言葉と、その検索の多さを調べること)を、むずかしいツールの前に、いっしょに手を動かしながら組み立てていきましょう。

結論:キーワード調査とは、「お客さんがどんな言葉で検索しているか」と「その言葉がどれくらい検索されているか(=検索需要)」を調べて、狙う言葉を決める作業です。やることは3つだけ。①お客さんの言葉を集める → ②検索の多さ(検索ボリューム)と検索意図(何を知りたくて打ったか)を確かめる → ③自店で勝てそうな言葉を選ぶ。いきなり検索数の多い言葉を狙うのではなく、「検索需要はあるのに、競争がゆるく、買う気持ちに近い言葉」から手をつけるのがコツです。この一手間で、同じ商品ページが「探されて、見つけてもらえるページ」に変わっていきます。

いま何が起きているか|「自分の言葉」で書いて、すれ違っている

売れないページには、共通する落とし穴があります。それは、お店の人が「自分が使い慣れた言葉」でページを書いてしまうことです。

商品を毎日触っていると、正式な品番、業界用語、社内での呼び方が自然と身につきます。ところが、初めてその商品を探すお客さんは、そんな言葉を知りません。お客さんは「困りごと」や「ざっくりした特徴」で検索します。「肩こり 枕 高さ 合わない」「離乳食 冷凍 小分け 容器」といった、生活の言葉で打ち込むのです。

ここで、お店の言葉とお客さんの言葉がすれ違うと、こんなことが起きます。

とくに最後の落とし穴は見落とされがちです。どれだけ良い記事や商品説明を書いても、その言葉を誰も検索していなければ、訪問者はゼロのまま。逆に、少し言葉を合わせるだけで、今あるページがそのまま検索から見つけてもらえるようになることも珍しくありません。キーワード調査は、この「言葉のすれ違い」を直し、労力を「検索需要のある場所」に集中させるための地図づくりなのです。

具体例|キーワード調査を3ステップで進める

お客さんの言葉を集め、検索の多さと意図で仕分け、狙う言葉を選ぶまでの3ステップを示した流れ図
まず言葉を広く集め、次に「どれくらい検索されるか」で数え、最後に自店で勝てる言葉を選ぶ。

高価なツールがなくても、無料の道具と表計算ソフトがあれば始められます。順に見ていきましょう。

① お客さんの言葉を、広く集める

まずは「お客さんがこの商品をどう探すか」を、思いつく限り書き出します。頭の中だけで考えず、実際にお客さんが使っている言葉が転がっている場所をのぞくのが近道です。

この段階では、絞り込まずにとにかく広げます。100個集めても構いません。似た言葉、生活の言葉、悩みの言葉——ぜんぶ表計算ソフトの1列に貼り付けておきましょう。

② 「検索の多さ」と「検索意図」を確かめる

集めた言葉を、2つのものさしで見ていきます。

ひとつは検索ボリューム(その言葉が1か月にどれくらい検索されているかの目安)。Google広告の「キーワードプランナー」を使うと、言葉ごとのおおよその検索数を確認できます(広告を出していなくても、アカウントを作れば目安が見られます)。数字は「多い/中くらい/少ない」のざっくりした区分で十分。まったく検索されていない言葉は、いったん外します。季節でぶれる言葉は、Googleトレンドで山と谷の時期も見ておくと、仕入れや販促の先回りにも使えます。

もうひとつが検索意図(その言葉を打った人が、何を知りたい・したいのか)です。同じ検索でも、目的はさまざまです。ざっくり3つに分けてみましょう。

検索意図のタイプ検索する言葉の例買う気持ちとの距離
知りたい(調べもの)「マイクロファイバー とは」遠い
比べたい(候補選び)「拭き取りクロス おすすめ 比較」中くらい
買いたい(指名に近い)「洗車クロス 水滴残らない 大判」近い

ページの狙いと、言葉の意図がずれていると、来てもらっても買ってもらえません。商品ページで狙うなら「買いたい」に近い言葉、コラムやブログで受け止めるなら「知りたい・比べたい」の言葉、と役割を分けて考えます。実際に検索して、上位に並ぶページが「解説記事なのか、商品ページなのか」を見れば、その言葉で検索する人が何を求めているかが読み取れます(この考え方はGoogle検索セントラルのSEOスターターガイドでも「ユーザーが求める情報に応える」こととして繰り返し説明されています)。

③ 自店で「勝てそうな言葉」を選ぶ

最後に、狙う言葉を絞ります。ここでやりがちな失敗が、いきなり検索数の一番多い言葉(ビッグキーワード)を狙うこと。「タオル」「サプリ」のような言葉は検索需要こそ大きいものの、大手がひしめいていて、小さなお店が上位に出るのはかなり難しい。労力に対して見返りが薄くなりがちです。

そこで、小さなお店ほど次の3つがそろう言葉を優先します。

たとえば「枕」ではなく「枕 高さ 調整 洗える」。検索数は数十分の一でも、買う直前の人が来てくれて、しかも上位を取りやすい。こうした言葉をいくつも積み重ねるほうが、結果として安定した集客になります。選んだ言葉は「1つの言葉=1つのページ」で受け止めるのが基本。1ページにあれもこれも詰め込むと、どの検索にも中途半端になってしまいます。

あなたへの影響|「探されている場所」に労力が向く

キーワード調査をひと通りやると、日々の仕事のムダが目に見えて減ります。

いちばん大きいのは、「誰も検索していない言葉に、時間をかけずに済む」ことです。これまで感覚で書いていたタイトルや商品説明を、「実際に検索されている言葉」に寄せるだけで、同じ1ページの価値が変わります。新しくページを作るときも、「この言葉なら検索需要があって、うちでも上位を狙えそうだ」と根拠を持って着手できる。行き当たりばったりの更新から卒業できます。

そして、集めた言葉のリストは一度作れば資産になります。商品ページのタイトル、見出し、ブログのテーマ、広告のキーワード、レビュー依頼の切り口——あらゆる集客の土台として使い回せます。検索需要という「お客さんの声の総量」を味方につけることは、広告費を増やす前にできる、いちばん地に足のついた集客改善なのです。

明日からやること

キーワード調査チェックリスト

夜のデスクで「なぜ見つけてもらえないんだろう」と悩んでいたなら、その答えは、たぶんお客さんの検索窓の中にあります。特別な才能もツールもいりません。まずは主力商品を1つ選んで、検索窓にその名前を打ち、出てきたサジェストをメモするところから。お客さんが使っている「本物の言葉」に一歩近づくたびに、あなたのページは少しずつ、探されるページに変わっていきます。

自店の商品が検索から見つけてもらえるようになり、届いた注文を見て安心した表情で前を向くEC担当者の明るい情景

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あなたのお店の主力商品は、お客さんにどんな言葉で探されていると思いますか。商品名とジャンルを教えていただければ、無料診断で「狙うとよさそうなキーワードの切り口」をいくつか一緒に洗い出してお返しします。

参考(公式・一次情報)